第100章 *飛翔インプレッション(ジャックの夢)*
『.....』
ユウ『どうしたの?』
『知らない人たちが、シルバーさんとかセベクのことを王子様って呼んでるの、なんか...や』
二人が他者に褒められて嬉しいはずなのに、胸の奥にモヤモヤとした思いが燻り、妙な苛立ちを覚え片頬を膨らませた
そんなレイラの嫉妬に苦笑いを浮かべると、ユウは宥めるように優しく髪を撫でる
ユウ『その人達は二人がどんな人かも知らないで言ってるだけ。でも、レイラは二人と今まで色んなこと経験して、過ごして、関わってきたおかげで二人のことよく知ってるでしょ。それだけでも十分だと思うよ』
『むぅ...』
ユウ『二人の良いところも悪いところも、レイラの方が知ってる。だから、不安にならなくていいんだよ』
『..ん』
コクンと頷くと、ユウの元を離れシルバーたちへも駆け寄り片手でそれぞれの手を取った。突然手を繋がれ驚きながら、二人は何事だと小さな姿を見下ろした
シルバー『レイラ?』
セベク『突然手を繋いできて..なんなんだ?』
『あの、ね..今度、二人がお馬さんに乗ってるところ、見せてほしい』
シルバー『構わないが..まさか、さっきの話で馬術に興味を持ったのか?』
セベク『初心者がいきなり馬術は無理がある。まずは簡単な乗馬体験から始めろ。となれば、まずはリドル先輩に許可を得なければならないが..』
シルバー『問題ないだろう。リドルも、レイラ相手なら寧ろ喜んで体験をさせてくれるはずだ』
『....ちょっと違うけど、二人がいてくれるならそれでいい』
少しだけ機嫌が戻り小さな笑みを溢すと、自分の手を握ってくれる二人の大きな温もりに静かに浸った
タッタッタッ...
ジャック『ちっ..授業が長引いちまった。急がねえと練習に遅れちまう!