第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
アズール『ふっ。皆さんの期待を裏切らないよう努力しましょう』
腹の中を探り合うように挑発するような物言いで互いに不敵に笑うと、ジャミルはフロイドたちの方へと向かっていった
オルト『シルバーさん、セベクさん、グリムさん、ユウさん、レイラさん。みんなの数値には大きなダメージがないけど..戦いが連続してる。無理はしてない?』
グリム『へへん!オレ様は大魔法士になる男なんだゾ、オルト。これくらい屁でもないもんね。ユウもレイラもへっちゃらだろ?なんたって、オレ様の子分たちなんだからな』
ユウ『ま、なんやかんや大丈夫かな。まだまだいけそう』
『ん、私も大丈夫』
オルト『うーん。今はダメージが少ないけど、レイラさんの霊素の構成バランスは、何故か浮き沈みがとても激しいから、この先は十分に気をつけてね』
『分かった』
シルバー『俺達は不思議と疲れは感じていないな。そんなことより一刻も早く、リリア先輩やマレウス様..そして眠りの中にいるみんなを救いたいんだ』
セベク『うむ。きっとリリア様は、厳しい局面でも僕たちが折れることなく戦い抜けるよう..長い時間をかけ僕たちを鍛え上げてくれたのだろう。
それなのに、この程度で立ち止まっていては師匠に合わせる顔がないというもの』
シルバー『ああ、そうだなセベク。俺たちはこの時のために、共に修行を重ねてきたんだと思う』
セベク『僕たちはまだまだやれる。心配は無用だ、オルト!』
オルト『分かったよ。でも痩せ我慢すると、すぐにモニタリングしてるスタッフと僕にバレちゃうんだからね』
シルバー『心強い。お前たちの支援に感謝する』
アズール『話はまとまったようですね。では、時は金なり!すぐに次の夢へ出発しましょう』
先を急ぐ前に、この夢に置いていくアズールのダミーデータを出力する。ホログラム状の人魚姿のアズールが映し出されると、本人はその技術の高さに感心し、動きや思考も本人に寄せていると聞くと、現実でもほしいと商売魂に火をつけた