第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
ユウ『にしても、やっと目が醒めてくれてたよ。ここに来るまでの道のり長すぎ。ね、レイラ』
『..ぇ?ぁ、ん。そうだね』
ユウ『どうしたの?』
『ううん、なんでもない』
アズール『あっ!レイラさんもそこにいるんですか?』
ユウの姿で隠れていたレイラの姿を見つけると、アズールは一気に花が咲いたように顔をパアッと輝かせた
ユウ『ほら、先輩気づいてくれたよ。会いに行かなくていいの?』
『あの..ん、と..』
ユウ『レイラ?』
妙に歯切れの悪い返事にどうもおかしいと首を傾げる。そうしている間にアズールはこちらへと早足で近づいてきていた
アズール『ああ..レイラさん。とてもお会いしたかった。貴女が無事で本当に嬉しいですよ!』
よほど再会できたことが嬉しかったのか、目の前まで来ると腕を広げて抱きつこうとしてきた
だがその瞬間、レイラの脳裏にあの時の記憶がフラッシュバックした
"そうですか....では、余興を続けましょう。次のショーは、
海の中で陸の人間がどのくらい息をせずに生きられるか、です"
"僕がそんな恐ろしいこと考えるわけがないでしょう?
ただ、興味はありますよ。このクラゲのような膜がどれほど耐久力があるのか"
ギュ...
ミシミシミシ....
"ゃ、やめて..."
"そして、それを失った陸の人間がこれ以上どんな無様な姿を晒してくれるのか"
ギュギュギュッ..!
ミシミシ..ミシミシミシッ!!
"ね、お願い、やだ..っ、やだっ!!"
『ーーーっ、やっ!!』