第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
ジェイド『ああ..アズール。これ以上僕たちをがっかりさせないで』
憐れむような言葉にアズールのこめかみがピクリと動き、その目にジワジワと怒りがこみ上げてくる
アズール『がっかりだって?がっかりしたのは僕の方だ!僕の命令を聞けない無能な部下はいらない。しばらくそこで氷漬けになって反省しろ!
氷よ!』
すぐさまペンを杖に変えると、二人へ向かって強力な氷魔法を放つ。しかし、二人の表情は以前余裕のまま、フロイドが前に躍り出てペンを強く振った
フロイド『"いいトコだけど、邪魔しちゃおうかな?"
巻きつく尾!(バインド・ザ・ハート)』
バキンっ!!
フロイドのユニーク魔法が氷魔法を逸らし、直撃したラウンジのソファーが瞬く間に氷漬けになった
アズール『何っ!?』
ジェイド『おや、アズールの本気の一撃を逸らすだなんて、 "本当に"今日は絶好調のようですね、フロイド』
フロイド『え〜?アズールの魔法くらい、絶好調じゃなくても余裕で逸らせるけど?ギャハハハ!』
アズール『お前たちも..僕を裏切るのか?』
フロイド『裏切ってんのは、そっちじゃん。ぜーんぶ忘れといて、偉そうに。こんな偽物の世界でふんぞり返って満足してるなんて、つまんねー姿見せんなよ』
アズール『ふ..ふふふ。はははは!いいだろう。お前たちとの縁もここまでだ。来い、僕のイソギンチャクども!あいつらをぶちのめせ!』
アズールの命令に奥からイソギンチャクを生やした生徒たちが何人も現れ、彼を守るように前へと立ち塞がる。それだけではなく、二人の四方を囲むように次々と生徒たちが群がっていく
そんな様子を廊下から見ていたシルバーたちは、ことの急展開に焦り感じていた
グリム『やべえ!!アズールがイソギンチャクにした奴らがいっぱい出てきて、ジェイドたちが囲まれちまったんだゾ』
オルト『いくらなんでも煽りすぎちゃった?
……あっ!』
声を上げて指をさすオルトの視線の先には、生徒たちに紛れて見知った顔が何人もいた