第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
襲いかかってきたジェイドたちに必死に応戦するが、多勢に無勢。更に前後左右挟まれ陣形的にも不利な闇ジェイドは、防戦一方でまともに太刀打ちが出来ないでいた
ジェイド?『くっ..さすがにこの人数が相手では分が悪い。一度撤退して..』
ジェイド『今です、シルバーさん、セベク君!あちらの僕を羽交い締めにしてください!』
逃げようと大きく後ろに飛び退いた闇ジェイドに、二人の腕が伸びてそれぞれ片腕ずつ拘束した
騎士としての鍛錬でよく身についているからか、そのあまりの早業に闇ジェイドは抵抗する間もなく取り押さえられる
ジェイド?『何を..!?うっ!』
ジェイド『ふふふ..あなたも僕なら、今から僕が何をしようとしているか分かるでしょう?』
ジェイド?『ま、まさか..僕にユニーク魔法を使うつもりじゃ?やめてください。一体何を聞き出すつもりです!?』
ジェイド『さあ、僕の左目を見て』
怪しい笑みで近づいてくるジェイドから逃げようと藻掻くが、二人の力がそれを上回りしっかりと固定される
なけなしの抵抗で目を瞑るが、何かが瞼の上下に触れ無理矢理引っ張られる
『ダメだよ。ちゃんとジェイさんの目を見て"お話し"しないと..んふふ』
オクタヴィネル仕込みの悪い笑みで闇の手を操り瞼をこじ開ける。必死に閉じようとするが、力の差は歴然だった
ジェイド?『やめなさい、ぐっ、うう..!無理やり目をこじ開けるなんて..っ!』
ジェイド『"そんなに怖がらないで、力になりたいんです"
かじり取る歯(ショック・ザ・ハート)』
金色の瞳が輝き、魔力が闇ジェイドへと注がれる。完全に魔法にかかるとすぐに抵抗する力が消え失せ、それを見たシルバーたちは拘束する手を離した
ジェイド『あなたは、僕の質問に嘘のない言葉で答えなくてはなりません。アズールの契約書はどこに隠してあるんです?』
ジェイド?『アズールの、部屋の..ベッドの下のアタッシュケース、に..』
ジェイド『ありがとうございます。あなたの役目はこれで終了です。お疲れ様でした』
ザシュッ!
ジェイド?『ごふっ..!』
言い終わらないうちに、魔力の刃が闇ジェイドの体を突き刺す。苦しみを吐き出し闇ジェイドの体は元の闇へと戻り、ジュワジュワと四散していった