第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
そっと顎をすくい上げられ、甘えるような熱を持ったオッドアイに魅せられると、レイラは鼓動を高鳴らしながら頷く。久しぶりに触れた唇は柔らかく熱く、とろけそうになる幸福感を二人に与えた
『もっと..』
ジェイド『ええ、勿論』
欲しがる声に応えるように、優しくレイラをシートの上に押し倒し再び唇を奪っていく。逃さないように掴んだ手首を指で擦ると、閉じた瞼の先で長い睫毛がふるりと震える
『んぅ..ぁ、ぅ..んんんぅ』
少し開いた隙間から忍び込んだ舌先が誘うように絡まる。背に走る快感にあっさり陥落すると、自ら舌を絡ませていく
ジェイド『(ああ、今は我慢しなくては。ですが、この一件が終わったら..ふふ、楽しみですね)』
湧き上がる欲情のまま服に手をかけそうになるのを自前の精神力で抑え、現実に戻ったときの楽しみとして取っておくことにした
『(..体、ちょっと楽..かも)』
グリム『こっちなんだゾ』
『!グリムの声、こっちに近づいてる』
ジェイド『どうやら上手く僕を連れ出せたようですね』
耳をピンと立て、まだ遠くにいる小さなグリムの声を拾うと、二人は立ち上がり巨木の影から様子を見守る
暫くして3人分の話し声が聞こえ、グリムを先頭にクラブウェアに着替えたジェイドの姿が見せた
ガサッ!!
それと同時に闇ジェイドの退路を断つように背後からシルバーとセベクが飛び出した
ジェイド『作戦通り、囲い込みに成功しましたね。では、行きましょうか』
『ん』
ジェイド?『!!あなたたちは、シルバーさんにセベク君?..ふっ、そういうことですか。あなたたちも、幻の山菜を狙っているというわけですね』
セベク『違う!僕らの狙いは..』
バシュッと風切り音がして、闇ジェイドの被っていたニット帽が飛ばされ地面に転がっていく
ゆっくりと巨木の裏から現れたジェイドとレイラに、闇ジェイドの目が驚きに見開かれる
ジェイド『僕たちが狙っているのは山菜ではなく、あなたですよ』
ジェイド?『...!!あなたは..フロイドの変装、ではなさそうですね。なるほど、僕をアズールから引き離すのが目的のようだ』
ジェイド『理解が早くて助かります。さあ..僕とゆっくり"お話し"しましょうか』