第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
『あ、待って二人とも....ジェイさん、二人に"アレ"つけてあげて』
『『アレ?』』
ジェイド『おっと、いけない。ラウンジに行く前に.. 』
ポンっ!
思い出したようにペンを取り出すと、ジェイドはユウとグリムの頭に魔力を込める。すると小さな音を立てて、頭上に再びイソギンチャクが生えてきた
グリム『ふなあ〜〜!!またイソギンチャクが頭に生えたんだゾ〜!』
ジェイド『オンボロ寮がアズールのものになっているということは、あなた方はアズールの下僕になっているはず。それをつけてカモフラージュしてください』
グリム『うう..格好悪いんだゾ〜..』
ユウ『ま、仕方ないよ。それじゃあ、行ってきますね』
『気をつけてね』
ジェイド『ご武運を』
ナイトレイブンカレッジ・学園裏の森
ユウたちがモストロ・ラウンジへと戻っていったのを確認すると、レイラたちは闇ジェイドを誘い出すための合流場所である学園裏の森に足を踏み入れた
目印として事前に決めておいた、一際大きな巨木のある場所に辿り着くと、シルバーとセベクは後ろからの奇襲要員として少し離れた木の影に身を潜め、レイラはジェイドとイデアと共に正面から迎え撃つため、共に巨木の後ろに身を隠し、ユウたちが闇ジェイドを連れてくるのを待っていた
『.....ぅぅ..(落ちついて座ったら、体が重いのが戻ってきた)』
闇の中で体に入り込んできた、奥底を掻き乱されるような淀んだ重みがぶり返し、耐えるように体育座りで膝に頭を埋めた
イデア『あ、あの、ヒロイン氏..大丈夫?さっきから君の霊素データが不調を起こしてるんだけど。ど、どこか悪かったりする?』
フヨフヨとタブレットが近づきこちらを覗き込む。データを通して見抜かれていたことに苦笑いを浮かべた
『..ううん、大丈夫。ちょっと疲れただけだから』