第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
グリム『本当かぁ〜?』
半信半疑にジェイドを見上げるが、今は他に作戦もないため仕方なく腹をくくることにした
ユウ『まあ、本人があんだけ食いついたんだし、きっとなんとかなるでしょ。よし、行こうか』
『ぁ、じゃあ私も..』
ジェイド『レイラさんは、僕たちと残ってください』
『『え?』』
グリム『ふなっ?何でなんだゾ?アズールもオメーもレイラにホレてんだから、一緒に行って説得したほうが言う事聞くんじゃねーのか?』
ジェイド『確かに、今や殆どの寮長や副寮長はレイラさんの言うことには必ず耳を傾けます。
ですが、"ホレている"からこそ、今のアズールたちには近づいてはいけないんです』
ユウ『??一体どういうことですか?』
ジェイド『よく思い出してみてください。あの時のアズールは、オンボロ寮ともう一つ..あるものを強く欲していて、それを奪うための策を練っていました』
何か分かりますか?と問われ暫し考えながら、レイラの横顔が目に入ると、あっと声を出して顔を上げた
ユウ『レイラが持ってる黒兎の力?』
ジェイド『ええ..ですがそれだけではありません。アズールは力だけでなくレイラさん本人も手に入れようとしていました』
『ん。そんなこと、言ってた』
ジェイド『先程モストロ・ラウンジで見た時、中にレイラさんの姿はなかった。アズールなら、苦労して奪った貴女を片時も離さずに側に置いておきます。ということは、まだ手に入れていない可能性が高い』
シルバー『なるほど。今レイラがアズールに会えば、ジェイドを連れ出すどころではなくなるかもしれない、ということだな』
『ん、なら私は残ってる。せっかくの作戦、ダメにしたくない』
ユウ『オッケー。じゃあ、僕たち二人で行ってくるよ。成功するかめちゃくちゃ不安だけど、頑張ってくるね』
グリム『ふなぁ〜。にしてもこの食材、みんな重いんだゾ〜!』
大量の貴重植物を抱え、ただでさえも小柄なグリムは前が見えなくなりそうだった