第15章 *続出アクシデント*
ポムフィオーレ寮
鏡舎を経てレイラ達が訪れたのは、高々とそびえ立つ寮というよりも城を彷彿とさせる建物を構える、ポムフィオーレ寮だった
ユウ『ここが、ポムフィオーレ寮...』
『キレイなお城...』
寮に入ると、そこはまさに豪華絢爛と言わんばかりでそれでいて上品さを兼ね備え、ハーツラビュルとはまた違った豪華さの装飾が施されていた
ケイト『まずはここ、ポムフィオーレ寮。けーくんチェックでは、3年生のルーク・ハントくんに注目だね。金色のボブヘアー&帽子がトレードマーク』
リドル『ルーク先輩は去年も試合で活躍していた、優秀な選手だよ。でも、あの人はちょっと変わっているというか...』
デュース『お、あそこに座ってるのがそうじゃないか?』
デュースの視線の先には、まさにケイトが挙げた特徴と全く同じ人物と、他2名が座っていた
エース『うわっ。なんかメッチャキラキラしてる...』
ルークらしき人物は、そのトレードマークである狩人を思わせる変わった帽子を膝に置き、目の前の生徒の手元を見ていた
ルーク『ノンノン、エペルくん。紅茶を飲むとき、カップの取っ手に指を入れるのはエレガントではないよ』
エペルと呼ばれた少年(少女とも見える)は幼さの残るあどけない顔を驚かせ、慌てて指摘されたカップの取っ手から反対の手でカップを支えながら指を抜いた。淡い紫の柔らかな髪が、僅かに緊張で小さく揺れる
エペル『えっ...あ、はい、すみません』
?『はぁ、大会当日のメイク悩むわぁ。フェリシテ・コスメティックスの新作下地が気になってるのよね』
真ん中に優雅に座る生徒は、手鏡を片手に自分の顔とにらめっこをしていた。その表情は悩ましげだったが、それさえも絵になるのではないかと思うほどに美しかった
ルーク『はっはっは!毒の君(ロア・ドゥ・ポアゾン)、麗しのヴィル!キミの輝きは化粧品の質で左右されるほど淡くはないだろう?』
ヴィル『そんなの知ってるわよ。でも、もうワンランク上を目指すために手は抜けないでしょ』
ルーク『いいね!その意識の高さ!実にマーヴェラスだ!』
『わー....』
グリム『う~~~ん。何だか強そうな感じが全然しねぇんだゾ。オレ様が犯人ならコイツは狙われねぇな』