第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
『えと、あの..わわっ』
突然のことに狼狽えていると、エアドームに何かが巻き付き軽く引っ張られる。それはアズールの八本の足のうちの一本だった
『ま、待って.....シルバーさん。行っても、いい?』
シルバー『...少し不安だが、もしかしたらアズールの覚醒のヒントが得られるかもしれない』
『ん。私も思った』
シルバー『よし。暫くアズールはお前に任せる。もし、何かあればすぐに呼んでくれ』
『ん』
小さく頷きシルバーから手を離すと、引かれるままにアズールと共に少し離れた大人数がけの席へと連れて行かれた
シルバー『大丈夫だろうか..』
ユウ『ちょ、シルバー先輩!なんで二人きりにしちゃったんですか?今のアズール先輩は、夢に囚われてる状態で、何してくるか分かんないんですよ?』
シルバー『ああ。だが、何かのきっかけで覚醒のヒントが掴めるかもしれない。本人もそのつもりだったんだ。今は任せるしかないだろう』
ユウ『う~ん。あの子がいいならいいけど、なんか嫌な予感がするんですよね』
アズール『どうぞ、こちらに』
『あ、ありがと』
席の真ん中に座らされると、アズールはエアドームに完全にくっつく程の近さで座ると、追加で2本の足をエアドームに巻き付けた
『!!えと....』
アズール『すみません、貴女のことが気になるあまり密着してしまいました。タコの人魚は初めてでしょう?こんなに足がたくさんあって..気持ち悪いですか?』
『....ううん、気持ち悪いなんて思わない。綺麗だよ』
アズール『綺麗..?』
『タコの人魚さんは、ちょっと前に見たことあるよ。その人もね、こんな風にいっぱいの足を上手に動かしてて、1本1本違う動きができるの。それとね、泳ぎ方が不思議なの。ふわっ、ふわって..でもそれがね、すごく綺麗なの。さっき、貴方が泳いでるのも綺麗だった
私の知ってる人魚さんも、貴方も綺麗だよ。アズ..さん』