第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
シルバー『いや、そんなことはない。俺たちは海の事情に疎いから、少し驚いただけだ』
オルト『僕もこんなのは初めてだから、ちょっとびっくりしただけ』
シルバー『ありがたく着用させてもらおう』
アズール『それはよかった!気に入っていただけて嬉しいです』
ジャミル『ジェイドとフロイドはつけなくていいのか?』
アズール『ええ、彼らは人魚でしょう?それは陸からはるばる来てくださった皆さんへの特別サービスです』
『『.....』』
アズール『さあ皆さん、入口に突っ立っていないでどうぞ奥くへ!』
言われるままにアズールに着いて奥へと入っていくと、目の前の豪華な食事にグリムの目が爛々と輝く
一方、会場の飾り付けの趣味の悪さに嫌そうに顔をしかめるフロイド。揚げ物や肉だらけが無造作に並ぶテーブルに、品がないとぼやくジェイド。周りの人魚たちの陽キャぶりにドン引くイデア
彼らの感じる通り、会場は全体的にあまり良い気のする空間ではなかった
?『見て、あの頭のイソギンチャク..』
?『本当に尾ひれが2本に分かれてるぞ』
?『マジかよ..すげーな』
『いっぱいこっち見てる..なんか、や』
周りから好奇の視線を大量に向けられ、居心地が悪くなりシルバーの背に隠れる。キュッと制服を摘むと、宥めるように後ろ手でトントンと叩かれる
シルバー『たしかに、人魚たちの視線がこちらに集まっているようだが..何か無作法があっただろうか?』
アズール『言ったでしょう?そのアクセサリーをつけていれば、パーティーの主役になれるって。あなた方が素敵だから、みんな釘付けになっているんです』
ユウ『(嘘くさ...)』
アズール『特に、兎耳がとても愛らしい貴女』
『..ん?ぇ、私?』
アズール『そうです。貴女は陸の人間でいうところの獣人、なんですよね?僕、初めて見たんですよ。ぜひ陸の事、獣人のこと、そして貴女のことを教えていただけませんか?』