第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
アズール『アズ、さん...』
『どしたの?』
アズール『いえ..なんでも。それにしても、僕を綺麗だなんて。ふふ、ますます貴女に興味が出てきてしまいました。褒めていただき、ありがとうございます』
『ぁぅ..//』
熱を帯びた甘い瞳を向けられ、頬がじんわりと熱くなる。照明の影がかかっているのをいいことに、バレないようにそっぽを向いた
グリム『仕方ねぇな〜!そんなに言うなら、このオレ様がヴィル仕込みのかっけーダンスを見せてやるんだゾ!ユウ!それからセベクとオルト!オメーらも一緒に来るんだゾ!』
グリムの声に顔を上げると、自分を除いたユウたち1年を引き連れ、フロアの中心へと向かっていくのが見えた
『グリム?なに、してるの?』
アズール『僕たち人魚は、陸のダンスにも興味がありまして。僕のチームメイトが、ぜひ見せてほしいと彼らに頼んだみたいです』
『そっか..大、丈夫かな?』
不安が募るも出来ることはないため、仕方なく見守ることにした。一方、乗り気ではないユウとセベクは一言二言文句を呟きながら、流れ始めた曲に合わせて踊り始める
だが、知らない曲にエアドームに包まれ動きづらい水中でのダンス。そして、
セベク『こら、グリム!足元でうろちょろするんじゃない!』
オルト『フロアが狭いから、お互いを包んでるエアドームがぶつかって..うわわっ!』
ユウ『あ、足がもつれる..これじゃダンスっていうよりおしくらまんじゅうでしょ!..おわぁ!』
『『『うわぁ〜〜っ!』』』
ボヨン、ボヨン、ポンッ!
身動きが取れない中、ついに互いに激突しながら派手に転んでしまい、その衝撃でグリムたちのエアドームは1つに合わさってしまった
『わっ、みんな転んでシャボン玉一個になっちゃった。お月さま、あれって大丈夫なの?』
少し離れたイデアに問いかけると、タブレットの奥ではカタカタ必死なタイピングとテンパるイデアの声が聞こえてきた
イデア『大丈夫なわけないでしょーが!!圧力バランスが崩れて1つに合体しちゃってる!すぐに気圧調整と酸素濃度調整を..あぁもう、それは壊れやすいって言っただろ!』