第15章 *続出アクシデント*
ケイト『もー、マジ勘弁。主力選手のトレイくんがいないのしんどいし、また選手選びをし直さなきゃ』
『『!!選手選び?』』
ケイトの言葉に目を輝かせながら、身を乗り出した二人。だが、その声をタイミングよく聞き付け部屋に入ってきたリドルは軽くため息をついて呆れていた
リドル『なんだいキミたち。怪我人の部屋にどやどやと集まって』
グリム『ふな"っ!怒りんぼリドル!』
『リドルさん...ギュッてして?』
リドル『怒りんぼって...キミたちがルール違反をしないなら怒らないよ。って、レイラ...そういうのは...いや、今のキミの顔でそんなことを言うべきではないね』
いつもの事だと流そうとしたリドルだったが、今にも泣きそうな顔をするレイラを見てはいられず、大人しく抱擁の要望に応え優しく抱き締めた
リドル『トレイを心配してくれているんだね...ありがとう』
『ん...』
リドル『トレイ、具合はどう?何か食べたいものや飲みたいものはある?』
レイラをあやしながら尋ねると、トレイは苦笑しながら首を横に振る
トレイ『そんな心配しなくても大丈夫だと言っただろ?』
リドル『でも、その怪我はボクのせいで...』
エース『どういう事っすか?』
リドル『用事があって、昼休みに三年の教室へ行ったんだ。その時...』
昼休み。リドルは階段を降りながら、遅れるから先に行ってマジフトの練習をしていてほしいと言って、隣を歩いていたトレイと別れようとした。
だが、次の瞬間リドルの足は階段を踏み外し真っ直ぐ落ちそうになった。いち早く反応したトレイが咄嗟にリドルを守るように庇い、当然受け身のとれなくなったトレイは足を負傷したのだ
リドル『階段から落ちかけたボクを庇ったばかりに、トレイが怪我を...』
トレイ『お前なら飛行術で受け身がとれてたと思うぞ。俺が勝手にしくじっただけだから、もう気にするなって』
申し訳なさそうに顔を俯かせるリドルに微笑みかける。だが本人の顔は浮かばれないままだった。責任感の強いリドルだからこそ、トレイの怪我は自分のせいだと責め続けていた
エース『ユウ、これってさ』
ユウ『やっぱりうっかりじゃないかも』
リドルの証言に二人はこそっと話し合う