第15章 *続出アクシデント*
オンボロ寮・談話室
エース『ふーん。不審な事故による怪我、ねぇ』
グリム『でも話を聞いてる内に、全員がおっちょこちょいか、大会が楽しみで浮かれてるだけなんじゃねーかって思ってきたんだゾ』
するとタッタッタと足音をたてながら、オンボロ寮のドアを勢いよく開ける音が響き、振り返ると非常に焦った様子のデュースが息を乱しながら入ってきた
デュース『エース、大変だ!』
エース『ん?何だよそんなに慌てて...』
デュース『クローバー先輩が階段から落ちて怪我をしたって...』
『『『えっ!?』』』
瞬間ゾクッとした悪寒が背を伝い、レイラはユウの腕に強くしがみついた
ユウ『おっちょこちょいとは思いづらい。レイラ?大丈夫?凄く震えてる...』
『トレイさんが...っ...』
グリム『とにかく話を聞きに行ってみるんだゾ』
ハーツラビュル寮・トレイの部屋
デュース『クローバー先輩、大丈夫ですか?』
グリム『おう、眼鏡!シケたツラ拝みに来てやったんだゾ!』
ケイト『あれ、エーデュースコンビじゃん。それにグリちゃんにユウちゃん、レイラちゃんまで勢揃いで』
エース『どもっす...って、ケイト先輩、そのエーデュースってなに?』
『トレイさん...っ!怪我したって...』
上半身を起こした状態でベッドに座るトレイは、表情こそいつも通りだったが、ベッドの傍らに置かれている松葉杖がやけに痛々しく感じる
そんな彼のベッドの横に走り寄り、心配そうに見つめてくるレイラを撫でながらトレイは安心させるように微笑んだ
トレイ『そんな顔をするな...心配させて悪かった。階段から踏み外して受け身を取り損ねて派手に右足をやっちまった。暫くは松葉杖生活だな』
『ぅ....』
トレイ『っおい、泣くな泣くな。お前が泣くと俺も辛くなる』
『だって...痛そう』
トレイ『...大丈夫だ。抱き締めてやれなくてごめんな』
苦笑しながら撫で続けていると、グリムが見舞いの品だとツナ缶をトレイに渡す