第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
珊瑚の海
オルトの導きでたどり着いたアズールの夢は、ジェイドたちの予想とは違い、二人と同様に海の中だった
ジェイドの夢よりも浅瀬に来たようで、上から太陽の陽が差し込み、揺らめく海藻や色とりどりの珊瑚やイソギンチャクが鮮やかにハッキリと映る
オルト『霊素シグナル・トラッキング成功。指定された座標へ到着しました。
アズールさんの夢に到着!誰もはぐれたりしていないかな?』
ユウ『1.2.3..うん、全員いるよ』
ジェイド『今のがシルバーさんのユニーク魔法、ですか。飛行術とはまた違った浮遊感があり..』
『あれ、ジェイさん..お顔が青い..?』
ジェイド『うっ...ぷ!』
冷や汗をダラダラ垂れ流しながら、抑揚のない声でにこやかにしていたジェイドだったが、限界を迎え隣にいたフロイドの肩を掴み凭れ掛かる
フロイド『げっ!ジェイド、まさか..!!』
嫌な予感がして離れようとしたが時すでに遅し。ジェイドは凭れ掛かったまま、胃からせり上がる不快感にえずきながら
全員の前で盛大に吐いた
ピンポンパンポーン♪
《暫くお待ち下さい》
フロイド『マジでしんっじらんねぇ。なんでオレまで..』
ジェイド『いやぁ、よかった。周りが海で助かりました』
フロイド『なにもよくねぇんだけど?』
あれから気の済むまで吐き散らかしスッキリした顔つきでいつもの調子を取り戻したジェイドだったが、制服ごと巻き込まれたフロイドは不快感を露わにしてげっそりしていた
二人とも制服を駄目にしてしまったのと、周りが海ということで、結局元の人魚の姿へと戻った