第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
『ジェイさん、気持ち悪いの大丈夫になった?まだツラい?』
ジェイド『ご心配おかけして申し訳ありません。もう、だいぶ良くなりましたよ』
オルト『ジェイド・リーチさんは夢渡り酔いをする体質みたいだね』
シルバー『どこかに座って休んだ方が..いや、海の中でどこかに座ってというのも変か』
ジェイド『ふふ。ありがとうございます、シルバーさん。冷たい海水に浸かってすっきりしたのでもう心配ありません』
フロイド『オレは逆にお前のせいでどんよりしてんだけどぉ〜?』
ユウ『そりゃあ、あんな真横で盛大に吐かれちゃあね。ドンマイすぎる』
ジェイド『それにしても..少々予想外でした。アズールの夢の中が、海の底とは』
フロイド『しかも、オレらの故郷で目新しさゼロの珊瑚の海じゃん』
ジェイド『てっきり、陸で商売を大成功させている夢を見ているとばかり』
フロイド『そーだねぇ。もしかして、オレたちみてーに陸で楽しみまくった後、やることなくなって海に帰ってきてるのかも』
ジェイド『せっかちなアズールのことです。ありえますね。陸でモストロ・ラウンジの全国展開を成功させ..珊瑚の海にもついに出店!..という夢かもしれません。
"モストロ・ラウンジを大きく育て、いつかは母のリストランテを超えてみせる"。
彼は口癖のようにそう言っていましたから』
『ユウ。リストランテ、ってなぁに?』
ユウ『レストランのことだよ。ただし高級店ね。アズール先輩のママさんは、飲食店経営者ってところなのかな?学園にモストロ・ラウンジを作ったのも納得』
『アズさんのママ、すごいね。アズさんは、そんなママみたいになりたくて頑張ってるんだ』
セベク『おい貴様ら、立ち話はそれくらいにしろ。さっさとアズール先輩を見つけるぞ!』
『『キャーーーー!!!ワーーーー!!!』』
『『『!?』』』
突然黄色い歓声が響き、全員はビクッと肩を震わせた。その歓声は止むことなく、何かに盛り上がっているように聞こえる。所々で誰かの名を呼ぶ声も混じっていた
『ぁぅぅ..』
ジャミル『大丈夫か?すごい声量だったな』
ユウ『これは歓声ですかね?一体何が..』
グリム『この岩の向こうから聞こえてくる。行ってみるんだゾ!』