第98章 *海中サーベイ(ジェイドの夢)*
ジェイド『そうでした。申し訳ありません。オルトくん、何が起こっているのかをご説明していただけますか?』
オルト『うん。じゃあ、まずはこの動画を見てもらいたいんだけど』
ジェイド『なるほど..実に興味深いお話でした。先ほどの偽物のアズールたちは、僕を夢に引き止めるための存在だったのですね。いつもは僕の趣味に全く興味を持たない2人が、数々の山を共に踏破してくれた..正直、悪くはない夢でした』
ジャミル『世界中を旅行してから世界に飽きてしまったフロイドといい、陸の山を全て制覇して海底火山にまで挑んでいた君といい..凄まじい行動力だな』
オルト『夢の中と現実では時間の流れが違うとはいえ、思いっきり夢の世界を満喫しているよね』
イデア『爆速でゲームを遊び尽くしてエンドコンテンツに辿り着く猛者感がありますが..』
ジェイド『そうですねぇ。確かに、悪くない夢だったとは言いましたが..予定調和なハッピーエンドしか迎えられない世界では、興味が尽きるのも時間の問題だったかもしれません』
フロイド『予定調和なハッピーエンドに興味はないってのは、オレも同じかな〜』
ジェイド『ふふふ..順風満帆、あと少しで最高なハッピーエンドを迎えるというところで..急に足元をすくわれて、真っ逆さまに奈落まで滑落する。そういう予測不可能な出来事があるからこそ、人生は楽しいんですよね』
フロイド『まさかメンダコちゃんの送別会行って、こんな大事件に巻き込まれるなんて思わなかったぁ』
ジェイド『ええ、予想外にも程があります。かなり面白いことになりましたね、フロイド』
フロイド『あはっ、本当に。ワクワクするねぇ、ジェイド』
『『ふふふ...クスクス....』』
ユウ『うわ、マジで愉快犯』
『でも二人ともすごく楽しそう。仲直りできて良かった』
セベク『おい、貴様ら!ヘラヘラと笑っている暇はないぞ。こうしている間にも、現実では刻一刻とマレウス様の魔法領域の範囲が広がり続けている。早く次の仲間を見つけに行かなくては!』
ジェイド『ええ。一刻も早くマレウスさんを説得し、現実に戻るといたしましょう。微力ながら、僕もお手伝いいたします』
シルバー『ありがとう、ジェイド。恩に着る!』