第98章 *海中サーベイ(ジェイドの夢)*
『ぁ、えっと、2人とも喧嘩しないで。こうやって繋いでたら、いい?』
それぞれの手を取り頬に当てながら交互に見つめると、暫しの無言の後、2人は口元を三日月に歪ませた
フロイド『仕方ねぇから、今はそれで許してあげる』
ジェイド『その代わりに、僕たちが満足するまでこのままでいさせてくださいね』
キューキューキュー
クルルルル...
『んふふ、いいよ。私も2人ともっとギューってしてたい』
両側からの求愛音が心地よく耳を打つ。繋いでいた手や足にはそれぞれの手と尾ひれが絡み合い、上機嫌な二人に頬ずりされるレイラは、酷く嬉しそうにそれを甘受していた
グリム『ふなぁ〜..オレ様、たまにレイラがめちゃくちゃ怖く感じるんだゾ』
ジャミル『確かに。あの2人をあそこまで手懐けられる奴なんて、うちの学園じゃあいつだけだろうな』
ユウ『ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜!!あのウツボども、デレデレしやがってからにぃ!!てか、さっきの件でジェイド先輩のこと殴り飛ばせてないし、早く離れろよあの二人!!』
シルバー『だが、3人とも幸せそうだ。あんな嬉しそうにしているジェイドとフロイドは見たことがない』
セベク『....』
シルバー『セベク?』
黙ったままのセベクに声をかけると、遠くの3人を見つめたままその眉間はシワを寄せていき、表情は段々と険しさを増していく
セベク『..レイラも、僕たちといる時はあそこまで幸せそうにしていなかった』
シルバー『..ああ。そうかもしれないな。あの二人は俺たちよりも付き合いが長い。だから、仕方ないのかもしれないが...』
セベク『(何故だ。見ていると無性に腹が立ってくる)』
込み上げる嫉妬の炎が、2人の瞳の奥でゆっくりと燃え上がっていた
イデア『イチャイチャしすぎだろ....あっ、て、ていうか、ここ(海の中)でヒロイン氏をあまり強く抱きしめないで!エアドームはそこまで耐久力無いって言ったでしょ。二人の馬鹿力でもし割れでもしたら、一巻の終わりですぞ!』
オルト『ジェイドさん、フロイドさん。甘えたい気持ちも分かるけど、その辺にしてあげてくれるかな?今はジェイドさんに、現状を把握してもらうための説明をしなきゃいけないし』