第98章 *海中サーベイ(ジェイドの夢)*
『..ん、いいよ。そしたら、また好きになってもらえるように頑張るから、絶対に。だから、そんな悲しそうな顔しないで』
鱗が浮かぶ頬に手を当てそっと撫でると、ジェイドとは反対のオッドアイが少し不服そうに見下ろしながら額を寄せコツンと合わさる
フロイド『悲しくはねぇんだけど。オレ、そんな風に見えた?』
『ん。怒っちゃった?』
フロイド『...ううん。ゴマちゃんの反応楽しむつもりだったのに、そんな顔してたんだーって思って』
至近距離のオッドアイが愉快そうに細まり、後頭部に手が添えられると、静かに唇が合わさった
エアドーム越しのキス。それでも伝わってきた柔い感触と温もりに安心感を覚えそっと目を閉じる
レイラをしっかり抱え直し唇を離すと、フロイドは物足りなさそうに己を見上げる深紅の瞳に僅かに興奮しながら優しく頬を撫でた
フロイド『ゴマちゃん』
『ん、ん?』
フロイド『オレのこと、これからも飽きさせないでね』
『...ん。じゃあ、』
小さく頷き、レイラはジェイド同様に身を乗り出し彼の耳ヒレに口を寄せた
『フロさんも、私を飽きさせないでね』
フロイド『あはぁ♪良い度胸してんじゃん。ゴマちゃんのくせに生意気』
挑発とも取れる囁きにヒレが揺れ動き、同時に胸の中に蔓延っていた不満の塊がホロホロと崩れていく
すっかり機嫌を良くし、ぎゅうぎゅうと抱きしめていると、ゆらりと動く影が2人へと迫る
キュー クルル..
ジェイド『レイラさん』
『んむ..』
ジェイド『僕にも構って?』
強請る低音が耳を心地よく刺激する。フロイドとサンドするようにレイラの手を取ると、甲に口づけ求愛音を放つ
フロイド『邪魔なんだけど』
ジェイド『そのままそっくりお返しします』
『『......』』