第98章 *海中サーベイ(ジェイドの夢)*
『ん、んふふ..』
ジェイド『レイラさん?』
『ありがと。ちゃんとホントのこと言ってくれて。ジェイさんが私に興味持ってないって、どうでもいいって思われてたことは、ちょっと悲しかった。私のこと、好きじゃなかったんだって...
でも、話してくれてる時、すごくここがドクドクしてて、お顔もちょっと暗かった』
人魚特有の少しザラついた肌に、今度は頬を寄せる。変わらず高鳴っている鼓動を心地よく聞くと、顔を上げてふわりと微笑む
『だから、今はそれだけじゃないってことでしょ?』
その言葉に、オッドアイがほんの僅かに揺れ動いた。本当にどうでもいいなら、興味がないなら、利用しているだけなら、本音を話すことにここまで緊張したりはしない
自身を抱く腕が強張ったのが後押しになり、レイラは笑みを深くして優しく問いかける
『ジェイさん、覚えてる?ちょっと前の日。飛行術、が終わって一人で歩いてた私に話しかけて、一緒にユウたちのところに送ってくれた日』
ジェイド『..ええ、勿論覚えていますよ。確か戻る途中で馬鹿..失礼。楽しそうにはしゃいでいた方々がぶつかってきて..』
『謝ったけど、怒られちゃった。その時ジェイさん..』
ーーーー回想
ナイトレイブンカレッジ・渡り廊下
『それでね、エースとデュースが勝負し始めちゃって』
ジェイド『おやおや。相変わらず元気ですね、あの二人は』
『ん。そしたら、』
?『ギャハハハ!!』
?『ちょ、おい!やめろよお前っ!!』
ドンッ!!!
『きゃぅっ!』
ジェイド『!大丈夫ですか?』
戯れ合いながら向かってきた生徒の一人が飛び退いた拍子に、ちょうどすれ違いざまでぶつかってしまい体がよろめく
ジェイドが咄嗟に体と腕で支えたことで転ばずに済んだが、肩に走った痛みに顔をしかめる
『ぅぅ....あ、あの、ごめんなさい』
?『ってーな。ちんたら歩いてんじゃねぇよ、チビ!!』
『っ!!ご、ごめんなさい...』
ビクッと体を震わせか細い声で謝るが、その生徒たちはすぐに目もくれずまた騒ぎながらその場を去っていった