第98章 *海中サーベイ(ジェイドの夢)*
イデア『兄弟喧嘩なんて生易しいものじゃなく、怪獣ブラザーズの大乱闘って感じでしたが..?』
シルバー『と、とにかく。ジェイドが覚醒し、2人が仲直りしてくれてよかった』
ジャミル『あれは仲直りした..のか?』
ジェイド『ふふっ、はい。もう仲良しです。ご心配をおかけいたしました』
フロイド『ちっ。まだ気は済んでねぇけど、夢ん中でこれ以上やっても不毛だからもういーや』
ジェイド『夢の中..?フロイド、それはどういう..』
『ジェイさん』
ジェイド『!!』
自身の名前を呼ぶ愛らしい声に耳のヒレがびびっと揺らし、勢いよく振り向くと向かってくるレイラの姿に自然と笑みが溢れた
ジェイド『ああ、レイラさん!貴女もいたのですね。お会いできてとても嬉しいです』
『私も会いたかった。良かった、目が醒めてくれて』
たどたどしく泳いでくる様に少しの嘲笑を混ぜながら、腕を広げてその身をすっぽりと包み込む
『んへへ、ジェイさんだぁ』
ジェイド『本当に良かった。
"あんな別れ方をして怒っているかと..どこかで野垂れ死んでいないか"と心配していたんです』
『ん?』
フロイド『は?』
ジェイド『ぁ.....』
途端に辺りが静まり返り、火山の燃える音と噴出孔の吹き上がる音のみが響き渡る
明らかに余計なことを口走ったという顔で固まるジェイドに、殺気と視線がグサグサと刺さる
ユウ『今なんつった?あのウツボ』
ジャミル『あんな別れ方、だと?』
セベク『どこかで野垂れ死んだとも言っていたな』
ジェイド『..い、いえ、皆さんの聞き間違いですよ。レイラさんに会えて心から嬉しいと..ただそれだけで、』
フロイド『いや聞き間違いとかじゃねぇし、はっきり聞こえてんだよ。ジェイドぉ..お前、この夢の世界でゴマちゃんに何した?』
ジェイド『いえ、なにも?』
ドスの効いた低音で詰め寄るフロイドに、珍しく焦りを見せながら必死に笑みを取り繕うとする。だが、そんな彼の腕の中でトントンと叩き、見上げてくる深紅の瞳はそれを許さなかった