第98章 *海中サーベイ(ジェイドの夢)*
闇とはいえ身内の姿をしたものに対してのあまりの容赦のなさに、近くで見ていたグリムたちの背中に冷や汗と寒気が走る
グリム『ひっ!よ、容赦ねぇんだゾ..』
ジャミル『あんなにベタベタしていたというのに、偽物だと確信した途端にばっさりか』
イデア『こ、こわ..』
『..でもそれって、フロさんの時みたいに、大切な人の姿でその人が言わないことを言ったのに怒ってるのかも』
ジャミル『どうだか。もしかしたら、偽物でも本物でも同じ対応をするかもな』
闇が完全に消えたのを見計らい、突き飛ばされていたフロイドが戻ってくる。そこにはニコニコといつもの笑みが戻っていた
フロイド『ジェ〜イド♡よーやく目が醒めた?』
ジェイド『はい。おかげ様で』
『『ふふふ..ふふふふふ!』』
ようやく兄弟の再会、というにも関わらず二人の笑い声は不気味そのもので、不穏な雰囲気をまとい始める
ユウ『あ、めちゃくちゃ嫌な予感』
『ん?』
フロイド『それじゃあさ〜..』
バキッ!!!
『『はぁっ!!/おらぁっ!!』』
セベク『何っ!?お互いに一発食らわせあっただと!?』
ユウ『はぁ..やると思った』
グリム『まだ目が醒めてねーのか!?』
ジェイド『フロイド、よくも本気でやってくれましたね。全身がバラバラにされるかと思いましたよ。というか、何箇所か手遅れな気が..愛すべき兄弟相手に、手心というものはないんですか?』
ひどいです..しくしく、と大袈裟に泣く仕草をすると、それが返ってフロイドの神経を逆撫でさせた
フロイド『嘘泣きうっぜぇ〜〜。愛すべき兄弟と偽物の見分けがつかなかったやつがそれ言う資格、小骨1本分もねぇから。ジェイドこそ完全に本気だっただろ。あ〜くそ、マジ痛ってぇ。ヒレというヒレがちぎれるかと思った!』
ジェイド『ああ、皆さん..兄弟喧嘩なんてお恥ずかしいところをお見せしてしまい、申し訳ございません』