第98章 *海中サーベイ(ジェイドの夢)*
『『『えっ!?』』』
シルバー『ジェイド、まさかセベクの強烈な雷撃のショックで覚醒を!?』
ジェイド『覚醒..とは?そもそも、なぜ僕はこんなところに?...うっ!?』
ぐらりと空間が歪む。そして覚醒の兆しである頭痛が襲い、ジェイドは頭を押さえてふらりと体を揺らした
封じられていた記憶が浮上し始め、脳裏に現実の景色が浮かぶ
ジェイド『そ、そうだ、僕は確か..がはっ..陸の、ナイトレイブンカレッジで..っ!あ、ああ、頭が割れる!ううっ、うあぁ..っ!
うわあああああああ!!!』
三人での想い出が一気に蘇る。激しい痛みに喘鳴を上げ、夢の殻が音を立てて崩れ落ちた
ジェイド『はぁっ、はぁ..僕、どうしてこんなに大切なことを忘れていたんでしょう..フロイドはあんなに素直ではありませんし、もっと横暴です。アズールは極力自らを危険にさらさず、他人を使い走りにするはず。何より2人があんな上機嫌で僕の登山に付き合ってくれるはずがない。
僕はどうかしていました』
アズール?『ジェイド!あんな偽物の言うことを信じるんですか!?』
フロイド?『ひどいよ!オレが本物だって言ったの、ジェイドじゃん!』
アズール?『どうか思い直してください..!』
再び眠りに落とそうと縋るように手を伸ばす。だが、その瞬間ジェイドの瞳に殺意と軽蔑の色が浮かびあがる
ジェイド『僕に触れないでいただけますか?
気持ち悪い』
ザシュッ!!!
『『ぎゃっ!!』』
吐き捨てるように拒絶すると、鋭い爪で容赦なく二人を斬り裂いた。姿を保てず元の闇へと変わると悲痛な声を上げて崩れ落ちていく
アズール?『ど..どう、して..?』
フロイド?『ジェイ..ドォ..』
消えていく闇をジェイドは絶対零度のような眼差しで見下しながら、無言でその様を見届けた