第98章 *海中サーベイ(ジェイドの夢)*
激しい雷鳴を轟かせながら、雷を纏ったセベクは一直線にジェイド達へと向かっていく。避ける間もなく直撃すると、体を割くような痺れと衝撃が二人を襲った
『『ぎゃばばばばばばばばばばっ!!!!』』
セベク『はががっ!や、やった、成功したぞ!塩分濃度が高い海水は、空気よりも電気をよく通す。おかげで狙い通りに突き進めたし、体へのダメージも少なかった!どうだ!見たかユウ、グリム、レイラ!』
雷化を解除しながら戻ってきたセベクは反動で僅かに痺れはあるものの、今までよりも上手くいったユニーク魔法にフンと鼻を鳴らしドヤ顔を決める
ユウ『はいはい。うるさいけど、今までで一番精度は良かったんじゃない?』
『すごい、セベクやったね!成功おめでと!』
向かってくるレイラを抱きとめると、腕の中で自分のことのように喜んでくれる愛らしい笑顔に、胸の奥がギュッと掴まれる感覚に陥る
『すごくカッコよかった。でも体、大丈夫?ビリビリする?』
セベク『平気だ。いつもより負担は少ない..あががっ!』
『!...んふふ、そっか』
セベク『おい!わ、笑うな!』
ジェイド『い、い、今のは一体..ギギッ!か、体がしびれて...』
フロイド『か、か、体が粉々になったかと思った...あががっ!』
ジェイド『ぼ、僕は..一体何を?どうして喧嘩をしていたんですっけ?』
まだ残る体の痺れに耐えながら、あまりの衝撃で逆に冷静になり始める。そんな彼の元に黒い影が2つ、隣にいたフロイドを突き飛ばして駆け寄ってきた
アズール?『ジェイド!大丈夫ですか!?』
フロイド『いでっ!』
アズール?『ああ、生きていてくれてよかった。僕は可愛い部下を失ってしまったかと!』
ジェイド『..可愛い、部下?』
フロイド?『ジェイドがいなくなったら、オレ泣いちゃうよぉ。もうどこにも行かないでね』
ジェイド『..どこにも行かないで?』
自身を心配そうに見つめる二人の姿を不思議そうに見つめる。だが、その瞳は段々と疑念を孕み鋭さを見せ、ジェイドはそっと二人から距離を取った
ジェイド『おかしいですね。僕の知ってるアズールとフロイドは、絶対にそんなことを言いません』