第98章 *海中サーベイ(ジェイドの夢)*
ゴゴゴゴ.....
『ん?...ねぇ、なにか聞こえない?』
ジャミル『いや、俺には何も聞こえないが..』
どこからか聞こえてくる地鳴りのような唸りに耳をピンと立てる。隣に立つ可聴域の広いセベクにも僅かにその唸りが耳に届く
セベク『...確かに、何かが聞こえてくる。おい、貴様ら。お喋りはそこまでにしろ』
フロイド『ん?ちょっと待てよ、ここってまさか...』
思い出したようにハッとして辺りを見回すと同時に、地を這う唸りは揺れと共に全員の耳に届く
グラグラグラ....!!
ゴゴゴゴ....!!
グリム『ふなっ!?なんだ!?』
オルト『周囲の水温が急昇中!速やかな退避を推奨します!』
ユウ『きゅ、急に避難って言われてもどこに行けばいいの!?』
突然の緊急事態に慌てふためく中、唯一何が起こるか分かっているフロイドは、一人冷静に素早く武装転換の呪文を唱える
フロイド『ドリームフォーム・チェンジ!』
すぐさま人魚の姿へと変わると、尾ひれを揺らし一番近場にいたオルトとジャミルの背を勢いよく押しながら、巻き込むように他の全員をも押しだしていく
フロイド『ぼさっとしてんなよ!行くぞ!』
ブワァァァァっ!!!!
普段聞かない真剣な声音で勢いよく押し逃がすと、先程まで自分たちが立っていた場所が爆発し、大きな黒煙と岩山のかけらが辺りに広がった
ユウ『ば、爆発した?』
フロイド『ふぃ〜..間一髪』
シルバー『助かった。ありがとう、フロイド』
ジャミル『君の泳ぎは本当にすごいスピードが出るんだな。驚いたよ』
セベク『それより、さっきの爆発は一体何だったのだ?』
フロイド『ここ、多分北の深海にある海底火山だわ』
『『『海底火山!?』』』
グリム『意味わかんねぇ。海の中に山があんのか?』
フロイド『うん。でぇ、さっきみたいに突然黒い煙みたいな熱湯を吹き出すんだよ』