第97章 *接触アパシー(フロイドの夢)*
ユウ『...ぶはぁ!!あ、あれ?息できるじゃん』
グリム『へ?』
『??..はぁ..すぅ..ほんとだ』
セベク『イデア先輩。魔導ナノ..何なのだそれは?』
イデア『平たく言うと、すごく小さいロボットが合体して作り出してる潜水用カプセル。今回の夢は潜水が必要になる可能性が高かったから、水中装備の情報をすでに用意してあったわけ。座標指定してるのはこっちだしね』
シルバー『助かった!これでボートを襲ってきた生物と戦える』
オルト『はっ!前方10m先に霊素反応あり。体長、およそ4m!あの大きさ、ボートを転覆させたやつに間違いない』
ジャミル『4mだと?かなりの大物だ。魔法で確実に仕留めるぞ!ユウ、君は下がっていろ』
ユウ『お願いします。怪我には気をつけてくださいね、先輩がた』
ジャミル『レイラ、お前は..俺の隣で戦ってくれるか?』
『ん!』
セベク『さあ、いつでも来るがいい!!』
シーーーーーン
『『『.....』』』
武器を手に構えるが、待てど暮らせどその生物が襲ってくることはなく、ただただ静かに海藻が揺れ動くだけだった
グリム『なんにも襲って来ねぇんだゾ』
オルト『確かに10m先に反応はあるんだけど..さっきから、ピクリとも動かない』
『来るの止めちゃったのかな?』
シルバー『仕掛けて来ないのなら、こちらから行かせてもらおう。慎重に間合いを詰めて...』
周りに警戒しながら、難破船の森をそっと進みその生物へと近づく。すると、その先からこれ以上ないくらいの気怠げなため息が聞こえてきた
?『はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜
だり〜〜〜〜〜〜〜〜....』
ジャミル『こ、この声は..どこかで聞いたことがあるような?』
『ぁ...あれって、』
その生き物はユラリとその長い尾ひれを揺らめかせ、まるで水面を漂うように横になりながら、すっかりやる気の無くしたオッドアイでジッとこちらを横目で見ていた
フロイド『面白そうなことが起きたと思ったのに..ただの陸の人間かぁ..』
青い小鳥が頭上で飛ぶ。そこにいたのはこの夢の主である、元のウツボの姿のフロイドだった