第96章 *盛況アライブ(ジャミルの夢)*
セベク『何っ?どうしてだ?』
ヴィル『大人数で移動すると、バグが発生しかねないんでしょう?何より..
これ以上、夢を渡ることに耐えられる気がしない!』
言いながら夢渡りの激しさを思い出し、ヴィルの頬に冷や汗が伝い落ちる。この夢に降り立ったときのあの具合の悪さをユウたちも思い返し、なるほどと納得した
ヴィル『今回も移動直後はグロッキーになって、みんなの足を引っ張ってしまった。幸運にも今回は休息を取れたけど、次もそうとは限らない』
オルト『夢渡り酔い、かぁ。確かに、そういう症状が強く出るヒトがいてもおかしくはないよね』
シルバー『ああ。ここは夢の中ではあるが、俺たちは走れば息が切れ、殴られれば痛いということを知っている。体調不良や、疲労などのダメージ蓄積も考慮に入れて旅を進める方がいいだろう』
イデア『いざラスボス戦!って時に、パーティーメンバーの大半がHPもMPも枯渇してたんじゃシャレになりませんからな。
シルバー氏とセベク氏。それからユウ氏とグリム氏とレイラ氏をレギュラーメンバーとして..サポートメンバーはリレー方式で交代していくのがベターかもしれない』
オルト『うん。霊素の構成バランスの乱れをダメージ蓄積として計上し..一定値を上回ったヒトは自分の夢に戻って休養を取った方が良さそうだ。その基準でいえば..』
オルトの視線がカリムへと注がれ、足元から頭の先までじっくりと彼の何かを見始める
オルト『カリム・アルアジームさん。あなたの霊素の構成バランスにも、かなりの乱れが観測されてるよ』
カリム『え、オレ?どこも調子悪くないぜ』
グリム『ジャミルと取っ組み合いして、ボコボコになったからじゃねーのか?』
セベク『確かに..よく見れば痣やたんこぶがあちこちにできているぞ、カリム先輩』
ユウ『あー確かに、腫れてたり紫になってますよ』
『痛そう..休んだほうがいいと思う』
口々に言われ、本当かと青あざになっている腕や頭を触ってみると、今まで感じなかった打ち身特有の痛みがビリビリと体中に走った
カリム『うおっ!?ちょっと触っただけなのに、めっちゃ痛ぇ!』
イデア『アドレナリンがドバドバでダメージに気づいてなかったパターンですな』