第96章 *盛況アライブ(ジャミルの夢)*
ジャミル『ふむ。大体の事情は飲み込めたよ。正直、ここにいるみんなのことも俺が作り出した幻覚ではないかと疑っていたんだが..イデア先輩の考えたチートツール作戦は、俺には考えが及ばない内容だった。それすらもマレウス先輩が幻覚で作り出したものという可能性もあるが...わざわざ俺に提案する意味がない。
つまり少なくともみんなは俺やマレウス先輩が作り出した幻覚ではない、ということでいいだろう』
ジャミル『だ、大前提から疑ってたんだ..』
ジャミル『疑いたくもなりますよ。常識、記憶..俺を取り巻く世界の何もかもが作り変えられていたんですから』
カリム『なぁジャミル。お前も当然、この作戦に参加するよな』
ジャミル『ああ。賢者の島に閉じ込められたまま1万年..なんてシャレにならないからな』
カリム『ずっと同じポーズで寝てたら、首がガチガチになっちまいそうだ』
ジャミル『かかなくていい恥もかかされた。それに何より、誰かがどうにかしてくれるのをただ待つのは性に合わない』
オルト『そうと決まれば、これをどうぞ!』
ジャミル『これは..動画に登場していた、招待コードか?』
オルト『そうだよ。それはジャミルさん専用だから、なくさずに持っててね』
ジャミル『招待状、確かに受け取った。失礼なきように身なりを整えて、プリンスに謁見する日を楽しみにしておくよ』
少し意地の悪い笑みを浮かべ、ジャミルは手に持つ招待状をしっかりと寮服のポケットにしまい込んだ
カリム『それじゃあ、次は誰を起こしに行く?』
ヴィル『ちょっと待って頂戴。あたしはここで離脱させてもらうわ』