第96章 *盛況アライブ(ジャミルの夢)*
コツンと額が合わさり、至近距離で見つめる瞳は小さく揺らぐ。やがて申し訳無さそうに言葉を紡ぐ
カリム『さっき、怒鳴ったりしてごめんな。あいつと、殴り合って喧嘩してるのも見せちまった。お前がそういうのを凄く怖がるってこと、知ってたのに..
ほんとに、ごめん..』
『..ん、大丈夫。私もね、ヴィルさんが闇に落ちそうになった時、自分もみんなも巻き込まれるって分かってたのに、言うこと聞かなくて助けようとしてた。だから、カリムさんの気持ちはよく分かるよ』
すっかり影を落とした顔に手を当てると、少し上げさせその瞳に自分を映させる
小さく愛らしい笑みが胸をドクンと高鳴らせ、カリムは顔に添えられた手に自身のを重ねると、そのまま腰を折り優しく触れるだけのキスを落とした
『『『『!!!』』』』
周りで見ていたヴィルたちはその光景に体を震わせて反応すると、羨望と嫉妬の眼差しでカリムを睨みつけた
『カリムさん..』
カリム『ん?』
『んへへ、もう一回ちゅーしたい』
カリム『ん"っ!!!』
いつもより甘さを増した声とふにゃりとした笑顔でおねだりされ、心臓を鷲掴みにされたような感覚に襲われる
今すぐにでも、もみくちゃに抱きしめて本能のままにキスしてやりたい気持ちを抑えながら、もう一度目の前の柔らかい唇に触れた
カリム『くそぅ、可愛いな〜〜!』
ユウ『カリム先輩、処す』
ヴィル『まったく。よく人前で恥ずかしげもなく出来るわね』
ユウ『先輩、それブーメラン』
『『(胸の奥が、モヤモヤする..)』』
目の前で嬉しそうに触れ合う二人に、ディアソムニアの双剣は違う意味で胸を鷲掴みにされていた