第96章 *盛況アライブ(ジャミルの夢)*
シルバー『よく戻ったな、ジャミル。お前ならきっと闇を断ち切れると信じていた』
ユウ『正直ハラハラしましたけど、まあ無事でなによりですよ』
『ジャミさん..良かった。ぅぅ..っ』
ジャミル『..なにを泣きそうな顔をしてるんだ。
...ほら、来い』
目にいっぱい涙を抱えるレイラに小さく息を吐くと、腕を軽く広げて自分の元へと誘う。すぐに駆け寄りその腕の中に飛び込むと、ようやく訪れた安心に体の力が抜けていく
『ジャミさん、会いたかった。会いたかったの..無事で、ほんとに良かった』
ジャミル『..ああ。俺も、お前に会いたかった』
随分と久しぶりのような抱き心地と匂いに、ジャミルも大きく息を吐き、堪能するように強くその身を抱きしめた
カリム『おい、なんでレイラの時は素直に抱きつかれるんだよぉ』
ジャミル『お前とこいつじゃそもそもの話が違うだろうが』
カリム『くそ〜〜!というか、お前だけズルいぞ。オレもレイラをギュッてしたい!』
イデア『え、さっきまであんなにくっついてたのに?』
ジャミル『ダメだ。どうせ、俺の見てないところでベタベタしてたんだろ。今は俺の時間だ』
カリム『なんだよそれ〜』
ジャミル『はぁ。ところで、リリア先輩の送別会にマレウス先輩が乗り込んできたあたりからの記憶が全くないんだが。誰か現状を説明してくれないか?』
オルト『それは僕たちに任せて。とりあえずこの動画を見てくれる?』
ジャミルがオルトたちによる説明を受けている間、さすがに抱きしめたままだとあれということで、レイラはカリムの腕の中に移動した
『カリムさん』
カリム『うん?』
『ジャミさん、無事で良かったね』
カリム『うん...そうだな』
『?』
てっきりいつものように満面の笑みで頷くと思われたその表情は、少し影を帯びていて下から見上げるレイラを切なげに見下ろしていた
『どしたの?』
カリム『レイラ』
『なに?...ん』