• テキストサイズ

【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第96章 *盛況アライブ(ジャミルの夢)*





肩を掴まれる痛みも、耳を震わせた声も、それによって這い上がってきた恐怖も、今は彼の悲痛な嘆きを前に全てかき消される


少し前の自分も、彼と同じように闇に呑まれるヴィルを助けようとした結果、周りを巻き込みそうになった


幸いシルバーが強引に止めてくれたおかげで事なきを得たが、今度は自分がその役になり恨まれる立場になるとは思わず、久しぶりに味わう"大好きな人に責められる"感覚にそっと目を伏せた


『ん...ごめん。ごめんね..でも大丈夫だから』


カリム『うぅ〜...レイラ..』


すっかり意気消沈してしまったカリムに、フワフワとタブレットが近づくと、イデアは気まずそうに声をかけた


イデア『あ、えっと、カリム氏。夢の主なら、覚醒した後でゲームマスターに捕まっても、自力で戻ってこれる可能性があるんだよ。ヴィル氏も、自分で戻ってこれたし』


カリム『ぐすっ..そう、なのか?』


イデア『ぁ..うん。だから、ジャミル氏が自力で戻ってくることを信じて、ヒロイン氏の言う通り、大人しく待っててくれるとありがたいデス』


カリム『わ、かった..』


イデアの言葉にようやく落ち着きを取り戻したカリムだったが、不安は残ったままレイラに凭れ掛かり時が過ぎるのを待った














それから15分後、夢の世界が安定したと観測結果が出たため、一同はすぐにジャミルの夢へと戻っていった


オルト『霊素シグナル・トラッキング成功。指定された座標へ到着しました』


再構築されたジャハーサヒールカレッジに降り立つ。そこで待っていたのは、覚醒したまま闇から抜け出したジャミルだった


カリム『ジャミル〜〜〜!!』


スカッ!


到着しジャミルの姿を見つけるやいなや、両手を広げて再会と無事の喜びに抱きつきに走る


が、流れるような動きでかわされてしまい、バランスを崩しかけた


カリム『うわっ、っとっと!なんだよ、あからさまに避けなくってもいいだろ?』


ジャミル『ふん。読めるんだよ、お前の行動くらい。そう何度もタックルされてたまるか』




/ 1867ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp