第95章 *灼熱シーク(カリムの夢)*
オルト『そんなに落ち込まないで、カリム・アルアジームさん』
ヴィル『そうよ。これはマレウスがあんたの願いを拡大解釈して作り出した夢。合わせる顔がないって言うなら、あたしだって同じ。歪んだ夢の中では、ネージュを小間使いにしてこき使ってたし』
カリム『え..それは本当に合わせる顔がねーな』
ヴィル『あんた、そういうところよ!』
いきなりスンと涙が引っ込み冷静なツッコミをかますカリムにヴィルの怒りが飛んでくる
カリム『あっ!今の否定しなきゃいけないところだったか!?ごめん!』
『..別にあの人にはそうして良かったと思う』
カリム『え?』
ヴィル『こら。あんたはあんたで肯定しない。あたしとしては黒歴史なのよ。
ーーどれだけネージュが嫌いなのよ』
『すごく嫌い』
ヴィル『...そんなこと言うと、ルークに嫌われるわよ』
『!!........ルクさんは、私のこと嫌いにならないもん』
若干の揺らぎを見せ、少し自信なさげに言葉を返す。しかし、ヴィルはその言葉に間違いはないなと普通に納得していた
ヴィル『まあ、そうね。あの(あんたにべた惚れ)男があんたを嫌うなんて、よっぽどのことがない限りないわ』
『ん』
カリム『えっと..オレも、お前のこと大好きだぞ』
『!..んへへ、嬉しい』
突然の告白に目を丸くしながら、嬉しそうに顔を緩ませると甘えようにスリスリと首元に擦り寄った
カリム『(うぐぅ..可愛い)』
それからいつものごとく、イデアによるVTRで現状と解決策についての説明が行われた
カリム『なんかわかんねーけど、すっげぇやばいことになってんなぁ〜〜!』
シルバー『ああ。なんとしてもマレウス様の魔法領域内に捕らえられた人々を解放したい。それに..このまま被害が拡大し続ければ、マレウス様は人類の敵とみなされてしまう。
だからカリム..どうか俺たちに力を貸してほしい!』
カリム『当たり前だろ、シルバー!どーんと任せとけ!...で、オレは何をすればいいんだ?』
ヴィル『あんた..今はありがたいけど、依頼内容を確認する前に安請け合いするのはやめた方がいいわよ』