第14章 *狂騒ガイダンス*
ナイトレヴンカレッジ・廊下
ラギー『にしても、よくあのレオナさんと渡り合えるっすね』
『え?』
ラギー『...ぶっちゃけ、聞こうと思ってたんすけど。キミ、レオナさんの事どう思ってるんすか?』
『えっと...好きな人、かな?凄く優しいし、甘えてくれるし』
ラギー『あまっ、甘えてくれる!?あのレオナさんが!?』
『ん...拗ねてもいたかもだけど。今日のキス少し余裕なかったし』
ラギー『キ!?ちょ、ちょっと待って!え?二人はそういう関係なんすか!?』
思わず立ち止まり大声をあげるラギー。ハッと周りを慌てて見回すが、幸いこの廊下には人の姿はそこまで見られなかった
『最近言われるけど、私には"そういう関係"っていうのは分からない。でも...好きな人とはキスはするよ?』
ラギー『それっていつもつるんでる奴ともっすか?』
『そうだよ。ユウにエースにデュース...あ、でもグリムやトレイさんは好きだけど、キスした事ないかも』
ラギー『ん~!?あ~つまり...それ...(もしかしてこの子、"好き"のベクトルが斜め上の方向に飛んじゃってるタイプ?)』
『ダメな事、なのかな?』
ラギー『ダメってわけじゃ...(いやいやダメだろ!多分この子は友情の好きを言ってるんだろうけど、色々履き違えてる!あ~レオナさんが可哀想に見えてきたっす)』
『ちゃんと好きな人にしかしないし、人も選んでるつもりなんだけど...』
ラギー『(無知って怖ぇ)』
『あの、ハイエナさん』
ラギー『なんすか?』
『その...手』
いつの間にか、少し手を取る力が強まっていることに気付き慌てて力を弱める
ラギー『すんません、痛かった?...あぁそれとも、薄汚いハイエナに手を取られるのはお気に召さないっすか?』
『違うの...ハイエナさんの手、意外と大きいなって』
ラギー『へ?あ、まぁ...一応オレも男なんでキミよりかは』
『綺麗だね...』
反対の手でラギーの手を包み込むように握ると、指先や手の甲をスッと撫でる。その瞬間、得体の知れない感覚がラギーの体を駆け巡った
ラギー『っ...///あの~そんな風に触るのは...』
『ごめん。でも、ハイエナさんの手は綺麗だよ。ちょっとマメとかカサついてるけど』