第95章 *灼熱シーク(カリムの夢)*
従者であるはずのジャミルが、まさか食事を主に自ら持ってこさせる。現実の彼なら絶対にしない、させない発言に流石の二人+ユウも大声でツッコミを入れた
カリム『お、おおっ!?どうしたんだお前たち。急にでかい声出して..』
シルバー『カリム..よく思い出してほしい。お前の幼い頃からの友人であるジャミルは、本当にこんな男だったか?』
カリム『え?え?お前たち、ジャミルのことも知ってるのか?』
ジャミル?『....』
イデア『ジ、ジャミル氏って、別に陰キャじゃないけど、こんな陽キャでもないよね?』
『それに、ジャミさんとカリムさんは...お友達じゃないし』
グリム『そうだそうだ!親友だって言うけど..ウィンターホリデーにカリムが友達になろうって誘った時に、絶対にお断りだってきっぱり言ってたんだゾ!』
カリム『友達じゃ、ない?絶対に..お断り?ジャミルが?』
その時、ぐらりと空間が歪む。カリムの脳裏に、ジャミルが自分に顔をしかめながら何かを言い放っている。その光景には確かに覚えがあった
カリム『うぐっ!?な、なんだ今のは..?あっ、頭が、いてぇっ!』
ジャミル?『カリム!おい、しっかりしろ。貴様ら..さてはカリムを狙う刺客だな!?
衛兵っ、衛兵ーーっ!!』
頭を押さえ苦しむカリムの体を支えながら、ジャミルは声を荒げ衛兵を呼び込む。すると衛兵、ではなく足元からいくつものドロドロとした闇が這い出してきた
ジャミル?『このドブネズミどもを捕まえろ!』
ヴィル『!!全員戦闘準備!闇を払うわよ』
シルバー『了解した!レイラ、ユウを連れて後ろに下がっていてくれ』
『ん』
突然の闇の襲撃。それでもヴィルたちはすぐに戦闘態勢に入り、闇を蹴散らしていく。しかし、数の多さといくらでも復活してくる再生の速さに戦況は押されていく
カリム『オ、オレは..ジャミルの親友..ううっ!地面がぐらぐらする..!』
ジャミル?『カリム、しっかりしろ。衛兵も来てくれた。もう大丈夫だ!』
セベク『くっ!倒しても倒しても闇が湧いてくるぞ。カリム先輩に近づけない!』
カリム『なあ、ジャミルは..オレの親友だよな?オレを裏切ったり、しねぇよな?』