第95章 *灼熱シーク(カリムの夢)*
『ユ、ユウ、大丈夫?えと、どうしたら気持ち悪いのなくなる?』
ユウ『おうっ..抱ぎじめ"ざぜで』
『ん』
青白い顔で手を広げるその中に身を寄せると、強く抱きしめられ肩口にグリグリと顔を押しつけられる
少しでも良くなればと黒兎の匂いを微かに放ち、背中を擦っていく
ジャミル?『そこの君、大丈夫か?何処か気分でも悪いのか?』
『..大丈夫、だから気にしないで』
ユウ『誰のせいだと思ってんだ。誰のせいだと..』
セベク『ふん!鍛錬が足りていないな!僕たちは猛々しい右大将時代のリリア様にも、筋骨隆々で身長2mのエペルにも直面してきた。爽やかで溌剌とした笑顔のジャミル先輩くらい、驚くほどのことではないっ!』
イデア『さすがは何人もの夢を渡ってきたメンバー..経験値が違う!』
ユウ『そんな、調査◯団みたいなこと言わんでください』
『ちょっと元気になった?』
ユウ『うん、だいぶマシになったよ。ありがとね。てか、これは経験云々じゃなくて、普段の先輩やホリデーの時のドッカーン先輩見てる身からしたら吐き気くらい出るわ』
『.....私も、や』
ユウ『だよねぇ』
『ジャミさんは..私の好きなジャミさんは、カリムさんにあんなこと言わない。あんなことしない。私の嫌いなキラキラがあるジャミさん...
すごく気持ち悪い』
『『『『!!!』』』』
一瞬全員の足元にヒヤリとした感覚が走る。この暑さを癒やしてくれるような涼しさは全くなく、ただ身震いを起こす恐怖のような悪寒だった
ジャミル?『ははは!なんだかよくわからないが、愉快な人達だな..ん?おいおい、カリム。お前のお気に入りのアイスが並んでないじゃないか。あれを客人に振る舞わなくていいのか?』
カリム『食事の方がいいかと思ってさ。だいぶ腹も膨れてきたし、そろそろ出すか!』
ジャミル?『俺はあれにチョコスプレーとココナッツのスライスを山盛りかけて食べるのが好きなんだ』
カリム『わかるぜ。あれめちゃくちゃ美味いよな〜!シルキーメロンに載せて食うのも最高だ』
ジャミル?『間違いない。それじゃあ..
ひとっ走り厨房まで行って持ってこいよ、カリム』
『『『流石にそれは言わないだろ!!??』』』