第95章 *灼熱シーク(カリムの夢)*
『『『!!!』』』
突然の来訪者に一斉に振り向く。カリムと楽しげに宴を楽しむこちらを見たその人物は、不満そうに眉をひそめながら灼熱の太陽の下、チャコールグレーの瞳を細めた
?『どういうことだ、カリム。客を呼ぶなんて、俺は聞いていないが?』
グリム『こ、この声は..』
?『客を呼ぶ時は、必ず先に報告しろと言ったはずだ。そうすれば..
もっと凄い食事と音楽隊を用意できたのに〜!』
『『『ジャミル/ジャミル氏/ジャミルさん/ジャミル先輩ーーー!?』』』
そこに現れたのは、あの時言ったカリムの言葉で悔しそうに佇む、彼と同じ制服を身に纏ったジャミルだった
ジャミル?『水臭いじゃないか、カリム!こんな楽しそうな席を設けてるなら、俺も誘ってくれよ。俺たち、親友..だろ?』
カリムの肩を手を回しパチンとウィンクをするジャミルに、普段の彼とは違いすぎる態度にグリムを含む一部の者に寒気が走る
『....』
グリム『こ、このジャミル..爽やかすぎて背中の毛がゾワゾワするんだゾ..!』
ユウ『う"っ..なにあれ。いつもと違いすぎて気持ちわる』
カリム『悪い悪い。さっきこいつらと噴水の前で会ってさ。みんなナイト..ナントカって、遠い国の魔法士養成学校から来たらしいんだ』
ジャミル『へぇ、そうなのか!俺はジャミル・バイパー。カリムと同じカスルサルタナートアカデミーの2年生だ。親友のカリムともども、俺とも仲良くしてほしい。よろしくな!』
シルバー『俺はシルバーだ。よろしく頼む』
セベク『ナイトレイブンカレッジ、ディアソムニア寮所属、セベク・ジグボルトだ!』
ヴィル『ヴィル・シェーンハイトよ。
..あんたたち、役者でもないのによくすんなり順応できるわね』
いつもの胡散臭さはどこに消えたのかと思うほどの爽やかな挨拶にも、二人は変わらず名乗りを返す。その順応の良さに役者であるヴィルも少し驚きを見せた
横目に映った約一名を見て尚更
ユウ『お"ぇぇぇぇ!!!気持ちわるっ!!なんだあの爽やかマックス好青年ムーブは!いつもの狡猾裏切り見下しムーブはどこいったんだよ。うっ、叫んだらまた気持ち悪い..』
ヴィル『ユウはこの通り、ギャップの気持ち悪さに吐きかけてるし』