第95章 *灼熱シーク(カリムの夢)*
シルバー『あ、ああ..』
オルト『..どうやら今の彼は、ナイトレイブンカレッジに通っていない設定らしいね』
シルバー『そのようだ。俺がクラスメイトだという記憶もなさそうだな。だが見たところ、明るく友好的な性格は俺の知っているカリムそのままだ』
カリム『ところで、ナイトレイ..お前たちの学園ってどこにあるんだ?』
オルト『黎明の国にある、賢者の島っていうところだよ』
カリム『黎明の国っていうと、海をまたいだ北の方か。はるばる熱砂の国までよく来たな!歓迎するぜ。
なるほど、お前たちは北から来たからそんな格好してるんだな。日差しよけの帽子も被ってないし、こんな通気性が悪そうな生地の服で..って!よく見りゃお前ら、みんな汗だくじゃねーか!』
セベク『うう..黒い生地がきつい日差しを吸い込んで蒸し風呂状態だ!』
オルト『僕も、急激にギア内部の温度が上昇して冷却が追いつかない..』
『水、ほしい..』
ユウ『右に同じく』
先程から容赦なく降り注ぐ太陽光に汗が滝のように流れ、脳内まで熱でやられそうになる。全員、今にも倒れそうな雰囲気にカリムは心配そうに見つめる
カリム『おいおい、大丈夫か?よし、オレが冷たくてうまい水を出してやるよ』
グリム『本当か?飲みたい、飲みたい!』
カリム『任せとけ!それじゃあ、いくぜ!
"熱砂の憩い、終わらぬ宴。歌え、踊れ!
枯れない恵み(オアシス・メーカー)!"』
魔力を集約させ手を上に翳すと、上空から雨のようにキレイな水が降り注ぐ。両手で掬って飲み込むと、ちょうどいい冷たさが口から喉、そして全身に乾いた地を潤すように広がっていく
『『『ぷは〜〜〜っ!』』』
セベク『うむ。よく冷えていて美味い!体中に染み渡るようだ!』
ヴィル『ありがたいけど、パシャパシャと顔に水をかけないで。メイクが崩れるじゃない。このコップにいただける?』
軽く手を振り、召喚魔法でガラスのコップを出すと、カリムは興味津々に見つめながら水を注いでいく
カリム『お、コップを呼び出せるのか!ってことは、お前も魔法士なんだな。もしかしてナイトレイブンカレッジも魔法士の学校なのか?』