第95章 *灼熱シーク(カリムの夢)*
グリム『オレ様たちだって最初は知らなくてひでー目にあったんだ。ヴィルだけ心構えできるなんてフコーヘーだろ』
ユウ『あー面白かった。普段澄ました先輩の慌てふためく様子..最高でしたよ』
自身の取り乱した姿にニヤニヤと笑みを浮かべる二人にため息を吐きながら、乱れてしまった髪や服に続けて落胆のため息をついた
ヴィル『ああもう、ヘアセットもメイクも服もめちゃくちゃ!
レイラ、あんたも知ってたなら言いなさいよ』
『ごめん。でもビックリしてるヴィルさん、可愛いかったよ?』
ヴィル『..あんたもうちの学園の人間ってことね。あんたの場合、悪意がないからなおのことタチが悪い』
『むぎゃっ!』
伝えてくれなかった仕返しに小憎らしくも愛らしい顔に手を伸ばし、小さな鼻をキュッと摘んだ
ヴィルのあまりの慌て様にタブレット越しにニヤつくイデアが煽り、それに乗せられたヴィルとの謎の攻防を挟みつつも、一同は早速この夢の主を探しに行くことにした
周りの建物が明らかに学園ではないため一旦制服に着替え軽く辺りを歩いていると、どこかスカラビアの寮の構造と似ていることに気づく
宮殿のような豪華で派手な様式、中央に流れる大きな噴水
そしてスカラビアと関係がありそうだという要因の1つが
圧倒的な気温の高さと照りつける太陽光の暑さだった
ヴィル『肌を突き刺すような強い日差し。何より..』
『『『すっっっごく暑い!!』』』
セベク『うう、立っているだけで汗が吹き出してくるぞ!』
イデア『ま、まずい..!これ以上タブレット内部の温度が上昇するとシャットダウンしてしまう!くっ、拙者のデバイス機器に対するイマジネーション強度が高すぎるせいで..!』
『あ、つい..ふらふら、する』
ユウ『わわっ、大丈夫!?』
グリム『ふな〜〜っ!オレ様、地面が熱くて肉球がヒリヒリしてきた!もう我慢できねーんだゾ〜!あそこの噴水で水浴びだ!せいやっ!』
1人素足で地に立っていたため、倍の熱さと痛みが襲い、我慢できずに目の前の大きな噴水へと飛び込んだ