第94章 *夢幻ナビゲート(ヴィルの夢)*
ヴィル『あたしはまたあんたたちに、みっともないところを見せちゃったみたいね。ごめんなさい。それから..ありがとう』
グリム『今すぐヴィルの夢に戻る〜ってジタバタするルークたちを押さえつけるのが大変だったんだゾ』
シルバー『そうだな。あと少しで振り切られてはぐれてしまうところだった』
セベク『なんなのだ、こいつらは!ポムフィオーレは、美を磨くことに重きを置いた寮のはずだろ。揃いも揃って体力自慢の肉体派だとは知らなかったぞ!』
ユウ『まあ、ポムフィオーレはストイックだし、体育会系だから』
『ね、何の話?』
ユウ『後で教えてあげるよ』
イデア『闇の鏡が拙者の魂をインドア派もやし系揃いのイグニハイドに振り分けてくれてよかった..』
ヴィル『イデア、あんたがいるってことは、状況はもう把握できているんでしょう?一体何が起きているのか、あたしにも説明してちょうだい』
イデア『あ、はい..じ、じゃあ、とりあえずこの動画を見てもろて..』
ヴィルにも現状把握とこれからの作戦をまとめた例のVTRを見せている間、レイラは先程自分が気絶している間の出来事をユウとシルバーから教えられていた
『そっか..だから大変だったんだね』
ユウ『あの人たちほんと体力無尽蔵って感じで..オルトとセベクはめちゃくちゃ疲れただろうね』
『....』
ユウ『どうしたの?』
突然黙り込んだレイラに首を傾げて問いかけると、少し不機嫌そうな顔で首の後ろを手で擦りながらシルバーを睨むように見上げる
『..首、痛い』
ユウ『あー...』
シルバー『す、すまない。緊急事態だったから、仕方なく..』
『頭も痛い。まだクラクラする』
シルバー『大丈夫か!?立っているのが辛いなら俺の腕に、あ...』
おぼつかない足取りに急いで手を伸ばし支えようとするが、睨みつける深紅の瞳に気圧されその動きが止まってしまう