第14章 *狂騒ガイダンス*
無言を肯定と受け取ったレイラは、レオナの胸元に顔を寄せた
『嬉しい...』
レオナ『何も言ってねぇだろうが』
勘違いすんな、と口では言うものの、抱き締める強さや髪を撫でる仕草は驚くほど優しいものだった
レオナ『にしてもお前...男に気安く体委ねすぎだろ』
『そう、かな?好きな人とはこうして触れ合ってたいって、思ってるだけ...』
レオナ『はぁ...よく前までの学校で生きてられたな』
『だって学校なんて行ってなかったもん』
レオナ『は?そうなのか?』
『ん...勉強も何もかもお家の中』
レオナ『そうか...』
『呆れた?学校も行ってない世間知らずな奴だって』
レオナ『んなこと言ってねぇ...俺も殆ど城の中でしか生活してなかったからな』
『お城?レオさん王子様なの?カッコいい...』
レオナ『...王にはなれない第2王子だがな』
『...ごめんなさい』
段々と小さくなっていく声、そして第2王子という肩書きでレイラはレオナが何に苦悩しているかがぼんやりと理解できた
申し訳なく思い謝罪を口にすると、"気にするな"と額に口付けられる
『怒らないで聞いてほしいの』
レオナ『何だ?』
『王子様って聞いて、すぐに思ったことがあるの。レオさんが王様になったらその国は、凄く幸せなんだろうなって...』
レオナ『何でそう思う』
『だって...こんなにもレオさんは優しいから。撫でてくれる手、綺麗な宝石の瞳の眼差し、泣いてる時に包み込んでくれる温もり、ちょっと強引なキスも...凄く優しい。そんなレオさんならきっと良い国を作れる』
レオナ『....』
『レオさん?』
腕の中から見上げようとするも、後頭部を押さえられ胸元に抱き込まれ見ることができなかった
レオナ『見るな』
顔は見れないが、頬に伝わる少し上昇した体温と僅かながらに早まっている鼓動は感じることができた
『レオさん...好き』
レオナ『っ....またお前は』
『好きな人には好きって言う...ね、レオさんは私のこと、好き?』
その問に長い沈黙を貫き、レオナはゆっくりと口を開いた
レオナ『...俺は』