第94章 *夢幻ナビゲート(ヴィルの夢)*
『優勝、した』
ユウ『うん。でも、ネージュを呪って蹴落として得た優勝、だけどね』
『..あの日も、あと一票あったらこんな感じだったのかな...』
ユウ『レイラ..』
エペル『でも、あの時は』
『ん、分かってる。完璧じゃなかったってことは、もう分かってる。ちょっと良いなって思っちゃっただけ』
シルバー『ヴィル先輩を見つけた。みんな、行こう!』
『「ヴィルサーーン!!/ヴィルーー!!』』
世界一の歓喜に浸るヴィルの元に二人を筆頭に駆け寄っていく。突然、自分の隣にいるはずのエペルとルークに加え、同じ顔がそれぞれ1人ずつ増えたことにヴィルは困惑した
ヴィル『えっ..これは、どういうこと?エペルとルークが2人いる!?』
ルーク『思い出しておくれ、ヴィル!これは歪んだ夢だ!』
ヴィル『歪んだ、夢?..うっ!!』
エペル『僕たち、あの日は世界一になれなかった。世界一になったのはロイヤルソードアカデミー..ネージュたちだ!』
ヴィル『ネージュが世界一?そ、そんなはずは..』
ルーク?『ああ、ヴィル!彼らの言葉に揺らいではいけないよ。ネージュ君たちは、急な腹痛により不運にもVDCを欠席した。そうだろう?』
エペル?『僕たちの努力が報われて、世界一になれた。こんなに嬉しいことはないですよ。ねっ?』
ヴィル『そ..そう、よね。あたしたちのダンスや歌が、世界一にならないはずがない..』
ユウ『あーもー!なにあっさり絆されてんの、あの人!』
『....』
闇の言葉に惑わされるヴィルに顔をしかめると、ペンを取り出し静かに近づいていく
エペル?『そうですよ。僕たちが世界一..これが正しいんd』
バンッ!!!
エペル?『がっ..!』
ヴィル『!..エ、エペル!?』
突然何かに吹き飛ばされ目の前から消えていった姿を追って後ろを振り向くと、エペルは地に倒れ全く動かなくなった