第94章 *夢幻ナビゲート(ヴィルの夢)*
?『ヴィル・シェーンハイト。"宇宙の彼方、暗闇から"で弱冠7歳にして映画デビュー。社会現象をともなった児童書の映画化"僕の願い"では、主人公..
ではなくライバル役を演じ、圧倒的な存在感を示しました』
ヴィル『えっ!?』
?『さらに学園ミュージカルドラマ"いつかお姫様が"でも、主人公..ではなく主人公を追い詰める悪役を見事に演じきり..嫉妬に取り憑かれたヒステリックな演技や、恐ろしい魔女のような笑い声は、見るものの背筋を恐怖で凍らせました』
どの作品でも主人公を演じていたはずのヴィルの経歴が、アナウンスによって別物へと変えられていく
突然のことに観客席からはどよめきが起こり、ヴィル本人も困惑を隠せずその場で足を止めた
ヴィル『このアナウンスは何?こんなの、全然私の経歴じゃないわ』
ネージュ『これ、まさかっ!?』
ヴィル『記念すべき日に、悪い冗談はやめて。誰か、今すぐこのアナウンスを止めなさい!』
?『輝石の国出身の彼は現在..魔法士養成学校ナイトレイブンカレッジに在籍。映画を心から愛する彼は映画研究会を創設。同好会のリーダーを務めています』
ヴィル『ナイトレブンカレッジ、ですって?あたしはそんな学校知らない!私は撮影で忙しいのよ。辺鄙な島にある全寮制の学校になんか..うっ!?』
突然激しい頭痛がヴィルを襲い、周りの景色がぐにゃりと歪み始める。ナイトレイブンカレッジというキーワードをきっかけに夢からの覚醒が始まろうとしていた
ヴィル『ぐぅっ..!急に、頭が..っ!な、なんであたしは、その学校の立地やシステムを知ってるの..?』
?『全国魔法士養成学校総合文化祭のプログラムであるボーカル&ダンスチャンピオンシップでは..学園の代表チームを率い、オリジナル曲"Absolutely Beautiful"を発表。ヴィルは見事にフロントマンを務め上げ、第2位の好成績を残しています。そして何より彼はーー美しき女王の奮励の精神に基づく、ポムフィオーレの寮長!
我らの美しき女王、毒の君だ!』