第94章 *夢幻ナビゲート(ヴィルの夢)*
突然また早語りを始めるルークの勢いに驚き、まさかまだ夢から覚醒していないのではと危惧するセベクたちに、"オタクあるあるだから"と謎のフォローを入れたことでことは収まった
ルーク『おっと、失礼!つい興奮してしまった。このスタジオがあるということは、ここは輝石の国の美粧の街だろうか?そして、この場に縁深い人物といえば..』
『『『きゃああ〜〜!うおお〜〜!』』』
『!!』
セベク『なんだ?スタジオの前に人だかりができてるぞ』
シルバー『あっ!今スタジオから出てきたのは、もしや..』
スタジオのドアが開けられその人物が姿を見せた瞬間、集まった人々は待ってましたと言わんばかりに大歓声と拍手をあげ、その人物をあっという間に囲む
その魔力の匂いと声に、レイラはピンと耳を立てて凝視した
『..ヴィル、さん』
『『『!!!!』』』
紺色の下地に金の華やかな装飾が施されたジャケットを羽織り、短くカットされた白金の髪が風に靡く。サングラスと帽子で顔はハッキリと見えないが、その纏う魔力と圧倒的な存在感とオーラに、一瞬でその人物がヴィルだと理解した
そして彼の周りを夢の主の証である小鳥が飛び回る
グリム『光る鳥がピヨピヨ飛んでやがる。そんな気はしてたけど、ここはヴィルの夢だったんだな』
ユウ『あれはイメチェンですかね?あー良かった。エペルみたいにクソワロアンバランスになってなくて』
エペル『クソワロアンバランスってなに?』
『ヴィルさん..やっぱり綺麗でカッコいい』
大勢の人に囲まれたヴィルだったが、嫌な顔一つもせず、サインを書いたり握手に応えたり、小さな子供と写真を撮ったりとファンとの交流を楽しんでいた
ユウ『見る限り性格に大きな変化はなさそうだね。むしろいつもより優しめな気がする。多分、ファン相手だからなんだろうけど』
『ヴィルさんいつも優しいよ?』
ユウ『うん、まあそうだね。(このやり取り何度目だろう..)』