第13章 *サバナクロー寮編~荒野の反逆者~学食スクランブル*
動物型特有の優れた嗅覚で眠気眼状態でも、ラギーが抱える物が自分の望んだものだということに気づく
だが彼の隣にいるはずの、自分が望んだもう1つの物がいないことにレオナは顔をしかめた
レオナ『おいラギー。メインディッシュがいねぇみてぇだな...どういうことだ?』
低く発せられる声と不機嫌に揺れる尻尾が、ラギーの背に冷や汗を伝わらせた
ラギー『え、えっと...実はっすね?あ~...』
レオナ『なんだ?いいからハッキリと言え』
ラギー『...断られたっす。で、でもその代わり、放課後サバナクローに来てくれるみたいっすよ!』
レオナ『....』
ラギー『(うわぁ...すげぇ機嫌悪りぃな~)』
レオナ『...ふん...まぁ良いだろう。放課後来ることに免じて許してやるか。良かったなぁラギー。アイツが放課後来る、なんて言ってくれなきゃ今お前を消してたぜ』
ラギー『っ...うっす...』
ギラッと僅かな殺意すら合間見える程の鋭い瞳がラギーを射抜き、その迫力にラギーは思わず半歩下がった
その様子に満足したのか殺意を仕舞うと、ラギーから半ば奪うようにパンとアイスティーを取ると、腹を満たし始める
ラギー『(どんだけあのウサギに入れ込んでるんすか。初の女子生徒で珍しいのは分かるっすけど、そんな惹かれる程には...)
まぁ、そこまで長くはいられないっすけどね』
レオナ『あ?何でだ』
ラギー『レオナさん忘れたんすか?放課後はマジフト大会に向けての寮長会議っすよ。忘れずに出てくださいね』
レオナ『...チッ、面倒くせぇな。放課後はアイツが来るっていう用事があるって決まったばかりじゃねぇか』
ラギー『早く終わればゆっくりできるっすよ。その子との時間を確保するためにもさっさと行って終わらせて下さいね』
レオナ『...あー、分かった分かった。待ってる間くれぐれもアイツに手を出すなよ。ふぁ~...腹が膨れたら眠くなってきた。昼休みが終わったら起こせ』
大きく欠伸すると瞼が重そうに下がってきて、レオナは再びその場に寝転がり、目を閉じた
ラギー『オレ、レオナさんの目覚まし時計じゃないんすけど...って、もう寝てるし!ったくも~』
ラギーはため息をつくと、仕方なしに彼の目覚まし時計に徹することにしたのだ