第93章 *愕然ワイルド(ルークの夢)*
ルークの苦しげな声に引き寄せられた闇が、更に彼を夢の奥へと引きずり込むために、最も影響力のあるあの二人へとその姿を変えていく
ヴィル?『ナイトレブンカレッジの皆さんのステージ、素晴らしかったわ!』
ネージュ?『そうだね、ヴィーくん!僕たちも頑張って練習してきた成果をみんなに見てもらおう』
エペル『なっ!?』
ネージュ?『それじゃあ、聞いてください。みんなでヤッホー!』
特設ステージにあの日ネージュが小さなドワーフ族の7人と踊った曲が流れ始め、ヴィルとネージュは手を取り合い曲に合わせて踊り始める
すると、ようやく醒め始めたルークの視線が一気に二人へと向けられる。あまりにも自分が望んだ幸せな光景に、ルークは涙を流しながら夢の深みへ入っていく
エペル『なっ!?嘘だろ、せっかく夢から醒めかけてたのに!』
ルーク『ううっ..2人の歌声に、全ての悲しみや悔恨が浄化されてくようだ..なんて、なんてボーテな光景。
..ああ!今この瞬間..君たちは世界で一番美しい!』
その言葉が紡がれた瞬間、エペルとレイラはついに我慢できなくなり、怒りに顔を歪ませ荒々しく口を開いた
『っ!!その言葉..そんな簡単に言わないで!どれだけ、ヴィルさんが欲しがってたか、一番知ってるくせに!』
エペル『そうだ!それにちょっと待てよ!よく見ろ!本物のヴィルサンはもっと性悪そうで、眉毛の角度もすげーキツくて!睨まれたら心臓がぎゅってなるくらい、眼光が鋭くて..!』
『『あんた/あなたの毒の君は!俺/私たちの女王様は!もっともっと..毒々しくて、美しいだろーが!!/美しいでしょ!!』
激しく怒鳴り散らすような言葉に、ルークの目が動揺に揺れ始め、その言葉に頭の奥が再び覚醒を促し始める
ルーク『毒々しくて..美しい..?』
エペル『あの日ヴィルサンが一番欲しかった言葉を、そんな偽物たちに安売りしてんじゃねーっ!ロイヤルソードアカデミーに1票入れた時より、今のあんたの方がよっぽど酷い裏切り者だ!
それにそのことでレイラのこと傷つけて悲しませたのに、それも忘れて何もなかったように笑いやがって..いい加減にしろよ!!
いい加減目を醒ませ!
ルーク・ハントーーーー!!!!!』