第93章 *愕然ワイルド(ルークの夢)*
イデア『あ、あのさ..キミ、さっきからなんなの?拙者のことそんな褒めまくってさ..な、なにか企みでもある、の?』
『?凄いと思ったことそのまま言っただけなんだけど。私にはお月さまみたいなことは、出来ないから。ううん、みんなも私に出来ないことばかり出来てる..』
イデア『..君だって僕にできないことやってんじゃん』
『そう?』
イデア『存在だけで圧倒的ヒーラーだし。S.T.Y.Xの一件のときはサポートもできて、メインアタッカーだって張れる。若干ディフェンスとメンタルに不安はあるけど、基本オールラウンダーでアタックもできて回復もできるなら、パーティーに一人置いとけば安全マージンってところ。更に強制発動スキルで仲間の能力を底上げできるから、初心者にも玄人にも重宝される。ピックアップガチャが始まれば課金待ったなしですわ』
『...?』
イデア『あ、えと..スミマセン、調子乗りました。訳わかんないことずっと言われまくって..キモいよね』
『ううん。だって、お月さまは褒めてくれたんでしょ?だったら、嬉しい..』
イデア『君ってさ..いや、なんでもない』
イデアのノンストップトークにもケロッとして嬉しそうにする様子にため息1つつくと、ボールルームの時計を横目で確認する
イデア『そろそろダンスの続き始めたほうがいいんじゃない?もうすぐ日が昇るよ』
そう言われ窓に目を向けると、空が明るみを見せ始め数分もしないうちに太陽が顔を出そうとしていた
『ん。みんな起こすね。
お月さま..改めて、よろしくね』
イデア『..うん。よ、よろしくオネシャス』
立ち上がりユウたちを起こしに向かう後ろ姿に、少し名残惜しさを感じながら、イデアは再びキーボードを叩き始める