第93章 *愕然ワイルド(ルークの夢)*
セベク『~~~っ!!だから、余計なことを言うなと言っているだろう!!』
ケラケラからかうグリムを追いかけようとするもゴホンと1つ咳払いし、大股でユウのもとに近づくと、腕の中で縮こまる兎を心配そうに見下ろした
セベク『..お前も、深く悲しむのはよせ』
『...』
手を伸ばし黒髪を優しく撫でる。その手に視線が行くだけで言葉はなかったが、拒否の姿勢をとることもなかったため、セベクは撫でる手を止めなかった
セベク『闇を危惧しているだけではない。お前の悲しむ顔は...あまり見たくない。胸の奥によく分からん痛みが走って、不快でしかたないのだ。だから..いつものように、ヘラヘラと笑っていろ』
『...ん』
自身を心配してくれる優しい心に少しだけ笑みが溢れると、その手に顔を擦り寄せ静かに甘え始めた。そうしてようやくセベクの口元にも笑みが生まれた
イデア『うわ、なにあの甘々空間。セベク氏ってあんなことするんだね』
オルト『僕もあんなセベク・ジクボルトさんは初めて見たよ。ふふ、よっぽどレイラ・フィリアスさんが大事なんだね』
シルバー『そうか、二人は知らなかったな。最初は互いに相容れず何度も衝突し合っていたんだが、前の旅の中で少しずつ歩み寄り、理解を深めていったんだ』
オルト『そうなんだ。じゃあ、あの二人はもうすっかり仲のいい友達になったんだね』
イデア『友達、ね..(ほぼ友人なしの僕でも分かる。あんな目、"友達"にするようなもんじゃないでしょ)』
エペル『オルトクン、セベククン..そうだよね。僕がルークサンの目を醒ましてやんなくちゃ!』
オルト『ふふっ。その意気だよ、エペルさん』
ユウ『んじゃ、早速みんなで作戦を立てようか』
グリム『う〜ん。あいつ、ちょっとやそっとのショックじゃ全然夢から醒めそうにないんだゾ』
エペル『あのね..今、1つだけアイデアを思いついたんだけど。みんな聞いてくれる、かな』