第93章 *愕然ワイルド(ルークの夢)*
『『『!!』』』
完全に不意をつかれ、全員が肩を震わせ背後を振り返る。大木の枝から飛び降り、砂埃の奥より現れた人影はゆっくりと近づき、その姿が段々と明らかになる
?『その寮服..ポムフィオーレとイグニハイドに、ディアソムニアの生徒だね。獅子の縄張りたる我がサバナクロー寮に何の御用かな?』
夢の主の証である光る小鳥が彼の周りを飛び回る。空風に帽子と金髪を靡かせ、かすり傷にまみれた腕がそれを押さえる
矢筒を背負いこちらを見つめる瞳は、まさに"狩人"たるハンターグリーン。そして、その声にエペルとレイラはその人物の正体をいち早く気づいた
エペル『ル、ルークサン!?』
『ルクさんだ..でも服が..』
セベク『はっ!光る小鳥だ..!』
シルバー『この夢の主はどうやらルーク先輩のようだ。だが、あの姿は一体?』
ルーク『今私の名前を呼んだのは..ポムフィオーレ寮の1年生、エペル・フェルミエくんだね。確か、君はマジカルシフト部所属だと記憶しているのだけれど..もしかして、部長のレオナくんを尋ねてきたのかい?』
グリム『ちょ、ちょっと待て!そんなことより..ルーク、なんでオメーはサバナクローの寮服を着てるんだゾ!?髪の毛もボサボサ、いっぱい葉っぱくっつけて..ヴィルが見たらぜってー怒るんだゾ!』
『(髪ボサボサ、お顔のそばかす、サバナクローの服..もしかして、ヴィルさんと会ったばっかりの、ルクさんがまだサバナクローにいたときの姿..?)』
ルーク『ヴィル?ヴィルとは..俳優のヴィル・シェーンハイトのことかい?』
シルバー『ああ。ポムフィオーレ寮長を務める、ヴィル先輩のことだ』
ルーク『ヴィルくんがポムフィオーレ寮長だって!?ハッハッハ!君は面白い冗談を言うね。
確かに彼がナイトレイブンカレッジに通っていたら、きっとポムフィオーレの所属になっただろうけれど』
オルト『..え?"彼がナイトレイブンカレッジに通っていたら"って?』
ルーク『おや、知らないのかい?
彼は、ロイヤルソードアカデミーに通っている。俳優仲間であり、大親友でもあるネージュ・リュバンシェと共にね!』