第92章 *出発プレパレーション(エペルの夢)*
エペル『そっか..僕、みんながここに来るまでムキムキな自分に全然違和感を抱いてなかったけど』
イデア『それはこの夢の世界全体が、ムキムキエペル氏を全肯定してたからっすな。僕もS.T.X.Yとオルトが夢に介入してくるまでは、何の違和感もなく普通に夢の世界で暮らしてたし..』
セベク『うむ..僕もそうだ。別に恥じ入ることではない』
エペル『僕だけじゃないんだね。みんなの話を聞いてちょっとほっとした..かな。それで、他のポムフィオーレ寮生を起こすにはどうしたらいいの?』
オルト『その人の夢へ移動することになるね。でも夢の主であるエペルさんがいなくなれば、きっとゲームマスターがそれを察知してマレウスさんが飛んでくるはず。でも、ダミーデータを残しておけば、ある程度の時間はバレずにやり過ごせると思う。
今頃、僕が送ったデータを基にしてS.T.X.Yのエンジニアがエペルさんのダミーデータを作ってくれてるはず..』
するとタイミングを見計らったように、オルトの機体からピコンと信号をキャッチした音が小さく聞こえた
オルト『あっ!ちょうど本部からデータが送られてきたみたい。データのダウンロードが終了しました。ホログラムを出力するね』
空間に浮かぶ電子画面がいくつか動いていくと、目の前に夢の世界でのムキムキエペルがホログラムとして現れ、そして実体のようにハッキリとした姿へと変わる
その瞬間、ユウの腹筋が再び崩壊することになった
ユウ『ちょwwwまっwwてwwwいまwwwそれ出さなwwwぶはははははwww』
『ユウ、喋れてない』
エペル『そ、そんなに笑うなって..うっ、にしても、改めて見ると、なんていうか..なしてわ、これがかっけど思ってたんだべ~!?』
『エペルは今のままでカッコいいよ』
エペル『う~、ありがと..』
オルト『これでよし。それじゃあ、次のサーバーへ移動しよう!..っと!そうだった。大事なことを忘れてたよ』
思い出したように手をかざすと、電子状の青い手紙を生み出し、エペルの手にしっかり握らせた
オルト『これ、パーティーへの招待状』