第92章 *出発プレパレーション(エペルの夢)*
セベク『なにっ!?そんなに高確率で成功させられるのか?ぐぬぬ..』
シルバー『..ふ。負けていられないな、セベク』
セベク『言われずとも!』
エペル『ところで..僕たち、リリアさんの送別会でマレウスさんの起こした魔法災害に巻き込まれたんだよね?今の偽物のヴィルさんたちは何?一体、何が起きてるの?』
オルト『説明は僕たちがするよ。ちょっとこの動画を見てもらっていい?』
シルバー『ん?どうした、レイラ。そんなにくっついて』
『...』
シルバー『..頭を、撫でてもいいか?』
『ん』
シルバー『さっきの戦闘で疲れたのか?いや、ここまでの旅を考えると疲労が溜まりに溜まっているんだろう。それに..俺の闇にまで浸らせてしまった』
『ううん、そうじゃないの。でも..ちょっとこうしてたい』
シルバー『ああ。お前がそれで心休まるなら、いくらでも』
ユウ『(キィィィィ!!!)』
『(重い...)』
オルトとイデアから動画と口頭での説明を受け、半分は信じられないと今の状況に驚くも、半分は先程までの出来事を思い出し、それが事実であることに納得していた
エペル『ここはマレウスさんの作り出した夢の中で、みんなはマレウスさんを倒すために仲間を集めてる..突飛すぎて、まるで作り話を聞いてる気分。でも、今はその話を信じるしかなさそう』
オルト『ありがとう。それで、マレウス・ドラコニアさんと戦うにあたって、エペルさんには他のポムフィオーレ寮生を起こす手伝いをしてほしいんだ。やっぱり夢の主と現実での記憶を共有している人の方が、対象を覚醒へ導きやすいみたいだからね』
イデア『うん。自分の経験しか裏付けがなかったから確信は持ててなかったけど..グリム氏たちとエペル氏のやり取りを見る限り、魔法で作られたこの夢の中でも夢から醒めるタイミングは普通の夢とあまり変わらないみたいだし』
エペル『夢から醒めるタイミング?』
イデア『普通に寝てて夢を見てる時も、現実との強烈な齟齬に直面した時に、"あ、これ夢だな"って気づいたりする時あるでしょ。今回は1年生たちが本当のお前はこうだろって事実を君に突きつけたことによって、君自身が強烈な齟齬を認識することができたわけ』